平日の昼間から釣りがしたいから独立した私:脱ガンジガラメの働き方(2/2 ページ)
東京の最高気温は39.5度。2004年の夏は暑かった。ふと外を見たら、平日なのに釣りをしている人がいた。すでに定年を迎えて悠々自適だったのかもしれない。しかし、そのときの私には、ただただ、うらやましかった。
どちらを選んでも間違っていない
一生懸命努力すれば、その分だけ成功する。私のように、これだけの努力でいいと決めている人間は、その分しか成功しない。その代わり、自由な時間を得られる。
成功者の多くは、私のような時間の使い方は充実感がないと言うだろう。
私も以前は、「怠け者」である自分を気に病んでいた。でも、そんなことは余計なお世話だと思えるようになって、自分の人生はまんざらでもないなと思えるようになった。
人生は選択の連続であるが、1つ1つの選択に正しいも間違いもない。選択が1つ違えば違う人生があっただけのことだ。
例えば、あなたが18歳に戻れたとしたら、どんな選択をし直すだろうか? 私は、せいぜいもっと勉強をし直そうと思うぐらいだが、仮にそうできたとしても、今とはまったく違う状況になっているだけのことだ。
いま不足に思っていることは解消しているかもしれない。しかし、いま満足していることも失っているだろう。今の不足を解消し、満足していることはすべて残っている――そんな選択の連続は、まずあり得ない。あったとしても、結局は仮定の話に過ぎない。
人生はたった一度きりのことであり、自分がしてきた選択に、正しいも間違いもないのだ。だから、一生懸命努力して成功の道を選ぶのもいいし、私のようにそれよりも自由な時間を大切にするのもいい。
「これでいいのだ!」と心の底から言えるようになれば、そこにあるのは自由だけとなる。会社員だろうが、自営業者だろうが、経営者だろうが、アーチストであろうが、芸能人であろうが、専業主婦であろうが、何であろうが、この原則は変わらない。
誠 Biz.IDを活用して、いろいろなしばりから自由になってほしい、と思う。ただ、上の原則を知らなければ「制度、ツール、システム、評価」のしばりから自由になったとしても、結局何も変わらないと嘆くことになる可能性が高いと思う。
ピンチのときに無駄遣いができるなら
私は、いま、独立してから何回目かのピンチを迎えている。今年の初めから、つまり震災の前から、仕事が次々となくなっている。震災にとどめを刺された形になったが、そう言ってしまうのは言い訳だろう。
これも、結局自分でそのように選択しているからなのだ。おかげで、新しい取り組みができるようになった。
私はピンチのときには、何か1つ無駄遣いをすることにしている。今回は自転車(ロードレーサー)を買った。そんなに高くないが、安くもない。妻はちょっとだけいやな顔をしたが、止めてもムダだと知っているので、最後は笑ってくれた。
おかげで人生の楽しみが、また1つ増えた。ピンチのときに無駄遣いができる性格なら、独立するのもいいかもしれない。
この記事を書いている時、関東地方は久々の豪雨である。一瞬、自転車に乗って、ずぶ濡れになるのもいいかと思ったが、帰ってきてから廊下を掃除する羽目になることを想像して、やめた。
※この記事は、誠ブログの「突破口を開く一日一言:平日の昼間から釣りがしたいから独立した私」より転載しています。
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