破産後、S社長は詐欺罪に問われ、懲役2年の実刑判決を受けた。
公判中、S社長は「店舗が増えれば収益が上がると思った」などと話したとされ、無責任でずさんな経営姿勢が改めて浮き彫りになった。判決では、「経営者が守るべき姿勢を大きく踏み越えた」「多額の被害額は大半が返済されておらず、罪は重い」といった指摘がなされ、実刑判決に相当すると判断された。
騒動でマスコミ報道が過熱するなか、雲隠れを続けたすえ、ようやく記者会見に姿を見せたS社長は、まだ幼い自分の娘について「成人式に何を着てもらいたいか」との女性記者の質問に少し間を置いて「振り袖です」と答えた。毎年変わらず訪れる成人の日に、また将来、成人式を迎える娘の振り袖姿を見て何を思うのだろうか。
甘い見込みによって無闇(むやみ)に店舗を拡大したうえに、破綻が見えていても取引先や利用客への説明やフォローを怠った無責任すぎる経営姿勢は、どう考えても、一企業経営者として、あるまじきものと断罪されても仕方ないだろう。最後まで責任をまっとうする。いわば沈みゆく船の船長のような覚悟をもつことも、経営者に必要とされる資質なのである。
帝国データバンク 情報部
1900年創業の民間信用調査会社。国内最大の企業情報データベースを保有。帝国データバンク情報部は、中小企業の倒産が相次いだ1964年、大蔵省銀行局からの倒産情報提供に応じるかたちで創設。情報誌「帝国ニュース」の発行、「全国企業倒産集計」などを発表している。 主著に『なぜ倒産』(日経BP社)『御社の寿命』(中央公論新社)『あの会社はこうして潰れた』(日経BP社)などがある。
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