「ラーメンの鬼」故・佐野実の「支那そばや」が東京駅に出店 切り盛りする妻が経営で守り抜いたものとは東京ラーメンストリートの舞台裏(2/5 ページ)

» 2021年09月07日 12時48分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

都内出店の理由

――支那そばやは1986年の創業以来、多店舗化はしませんでした。このような形で都内に出店することは非常に珍しいと思います。どういった経緯で出店したのでしょうか。

 (人気ラーメン店)「せたが屋」の前島司さんがお店を訪ねてこられて、直々に今回の「ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート」に出てほしいとお誘いをいただいたことがきっかけでした。前島さんとは、佐野(※故・実さんのこと。以下佐野)が生前、テレビ番組で食べ歩きをする企画があって、その時にせたが屋さんにお邪魔したことがきっかけで、それ以来長年お付き合いさせていただいています。佐野の葬儀の時も、三回忌の時も来ていただきました。

 普通でしたら恐らく断っていたと思うのですが、前島さん直々のお願いというのもあり、お受けいたしました。

――本店以外の場所で、お店の味を再現するのは、とても大変なことだと思います。

 その場所で作る量が少なければまだいいのですが、東京駅のように客数が多く見込まれる場所に出店する場合、その分だけ仕込みの量を増やさないといけません。スタッフの人数も相応に必要になってきます。そうすると、駅施設の厨房で本当に再現できるのかは最初とても不安でした。ですので、厨房の調理器具を拝見してから、受けるかどうかを最終的に決めました。

「せたが屋」の前島司さんからの誘いだった(リリースより)

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