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» 2021年09月24日 09時42分 公開

岡田武史監督に聞くリーダー論 私利私欲でメンバーを外したことは一度もない経営者・岡田武史【後編】(2/4 ページ)

[霜田明寛,ITmedia]

マネジメントをうまくやると「生物的組織」になる

――岡田さんは今、会社の経営者でもありますよね。チーム作りと会社作りに共通点はありますか?

 最初は会社の経営と、チームの運営やマネジメントは全然違うものだと思っていたんです。でも、去年くらいから一緒だなと思うようになってきました。選手の成長がチームの成長になるのと同様に、社員の成長が会社の成長になる。会社もサッカーも、結局は人のマネジメントなんですよね。

 サッカーは戦術とかいろいろあるだろうと思われるかもしれませんが、やはりいちばん大事なのは選手とコーチのマネジメントなんです。マネジメントをうまくやると「生物的組織」になっていくんです。

――生物的組織、とは何ですか。

 一人ひとりが主体的に自立して動き出しているのに、それが1つにまとまっているような組織のことを「生物的組織」と呼んでいます。生物学者の福岡伸一さんとご飯を食べていたら、彼が「古い細胞が死んで新しい細胞が入ってきても脳は命令しないんです。でも同じ形になる。それは細胞同士が折り合いをなすからなんです」と言っていました。それを聞いて、細胞が選手で、脳が監督だとしたら、選手同士が折り合いをなしていく組織が一番強いんじゃないか――と思ったんです。

 もちろん、命令を出さなくても脳は必要なのと一緒で、リーダーや監督的な立場の人は必要です。会社も最初の頃は、僕が即断即決で指示を出してまわすようにしていました。最初はそうじゃないと潰(つぶ)れちゃうような状況だったので。

――最初は“命令を出す脳”だったんですね。

 でも去年くらいから、徐々に階層をなくして、権限を移行していっています。フラットな組織にしていけば、社員も主体的に動くようになる。今はいろいろな組織論がありますが、僕自身は、きっと強烈なヒエラルキーのある組織ではなく、ボトムアップ的な組織が栄えていく流れにあると思っています。

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