価格を100円(税込108円)に抑えるファクターとしては、以下の5つが挙げられる。
1=「オフシーズンの工場を活用」する。稼働率の向上は製造業にとっての基本だが、それを忠実に実行した
2=「サイズ不選別」とする。選別する手間ひまをかけない
3=「早期に数量を確約」する。これにより取引先は原材料の安い時期に計画的に仕入れをすることが可能で、また早く売り上げが確定できるため、ウィンウィンの関係となる。ここ数年叫ばれている原材料費の高騰も乗り切ることができた
4=「工場の計画的稼働・効率化」を図る。
5=「大量発注・大量生産」をし、規模のメリットを最大限に生かす。
例えば、新発売した「味付けあわび」という高級食材も100円に抑えた。これは、高級中華料理店などに食材を卸すメーカーが新型コロナによりニーズが減少し、新しい販路を開拓する必要性がありローソンストア100と提携した結果だ。
森氏は「お正月をよりぜいたくにということで、高級食材を使った商品のリクエストが相次いでいます。あわびは春と秋で価格が異なりますが、価格が安い春に数量を確約し一括買い付けをしました。また、オフシーズンの飲料・ゼリー工場を活用することで可能になりました」と商品化できた理由を述べた。
「年が明けた1月に、おせちについての振り返りや反省をします。その際に、翌年の販売計画をある程度立案し、予定数量を決めます。新商品については商談が始まっていて、早い商品であれば、秋ごろから始めます(筆者注:21年の秋に準備をし、22年に販売計画を確定させ、23年にのおせちとして売る)」と話す。つまり1年以上かかるということだ。
「何度も試食し、満足レベルに達したら、社内でプレゼンをかけ、評価してもらい、商品化していきます」という。
奇をてらわず愚直においしさを求めてきた結果だ。
今回から店以外の販売チャンネルの拡充も図った。
即日で完売したものの、ECサイトでの販売を実施した意図については「ローソンストア100は全国に671店舗ありますが、お店に訪れることができないお客さまに楽しんでもらいたかった意図があります。Uber Eatsはすでに関東、中部、近畿の一部店舗で導入していますが、今回おせちの販売は関東でのみ実験的に実施します」という。
具体的には、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県のUber Eats導入店、74店舗でサービスを展開する。
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