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りそなホールディングス南昌宏社長が語る コロナ禍でも業績好調の理由アプリは431万ダウンロードを突破(2/6 ページ)

» 2022年01月08日 12時08分 公開
[武田信晃ITmedia]

2つの“X”を通じた改革

 COP26でも採択された地球温暖化対策も喫緊の問題だ。ただ、変化の激しい経営環境の中で、持続的な成長を続けるのは簡単ではない。りそなは、企業は持続可能性を重視した経営を目指す「SX(サステナビリティートランスフォーメーション)と、DXという2つのXを通じた改革」を掲げている。

 SXでは顧客にコンサルティングビジネスをし、話し合いを進めながら、持続可能なビジネスモデルへの転換を図ることを目指す。すでにりそなは、SDGsに対応したファンド商品を展開していて、「りそなSXフレームワークローン」「ESG目標設定型特約付融資〜TryNow〜」という新規の金融商品を創設。持続可能な社会を支える企業になってもらう、この商品を利用してもらうことを通じて企業に価値を提供している。

 日本でも唱えられ始めたSXを経営ビジョンに掲げた真意を聞いた。

 「社会価値と経済活動などがトレードオンに近づいていることを前提に、長期的には結果として社会産業構造が変わっていくという大きな流れがあります。これに対してわれわれ自身が変化をしていかなければいけません。

 法人であれば50万社、個人だと1600万のお客さまの要望に適合していく必要があります。お客さまがSXを前提にしたときにどういう位置にいるのか。今後のリスクをどう捉えているのかといったことを深い対話をしながら相互理解を深めていく。その後に具体的な一歩をどうするかを伴走型かつ共創型で1人ひとりと対峙しながら対話していく。なぜなら全容は分かっていないからです。ただ、産業構造が変わっていく中で、予測と準備をして一歩目を踏み出す価値は大きいと思っています」

フレームワークローン

 21年6月に策定したサステナビリティ長期目標では「リテール・トランジション・ファイナンス」について21〜30年度に累計10兆円の取扱高にすることを掲げている。

 「大きな旗の下に最初の車輪を動かしていくことが大事なので目標を置きました。その実現のためには私たちが変わらないといけないと思っています。法人としての組織能力をどう上げていくのか。コンサルティング力、ファイナンス力もしっかり高めていくことが必要でしょう」

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