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時代の波に追いつけ追い越せ!! スマートフォーツーフルモデルチェンジ その1+D Style モテるクルマの選び方(2/2 ページ)

世界中でモテまくっているスマートがフルモデルチェンジ! 早速、その試乗会に行って参りました。ハンドルを握る前に、まずは“小ささ”が評価されたスマートがなぜ“大型化”したかを探ります。

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こちらはスマートフォーツーカブリオ。私はやっぱり屋根開きがスキ。このままハンドバッグになっちゃいそうなデザインですよね。そんなカバン欲しいカモ

 しかし、スマートはただ大きくなっただけではありませんでした。

 まず、ボディサイズの拡張によってきっちりと「世界基準、しかも最高レベルの安全性」を身につけています。これにはアメリカ市場での正規販売開始、という背景がありました。

 アメリカには独自の安全基準があります。フロントエンドが72ミリ拡大されたのは最新の歩行者安全保護基準をクリアするためでもありました。さらに「時速80キロでオフセット後部衝突をされた際の燃料漏れのチェック」などもあって、リアエンドの拡大も図らざるを得なかったのでしょう。

 ボディサイズの大きくなった新型をこれまでと同じように走らせるため、排気量もアップしました。先代モデルの700ccから1リッターへ。エンジンユニットも大型化し、これにより全幅も拡大したわけです。


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リアビュー。テールランプ形状も先代の3つから2つに変わりました。ちょっと普通っぽくなっちゃったかな

 しかしなんで今更アメリカ?!と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

 97年の発売以来、世界で85万台を売上げたスマート。傍目には好調に見えるスマートの販売は、実は多難の連続でした。

 立ち上げ当初、スマートの発案者であるスイスの時計会社・スウォッチが、利益を生まないことを理由に完全に撤退したことからも分かるように、実は損失ほうが大きく報告されています。世界中で瞬く間にシェアを伸ばしたきら星・スマートくんの陰に、こんなドラマが展開されていたのです。現在でも「スマートが業務不振を理由になくなってしまうのではないか?」なんていう憶測もあるほど。まったく新しいクルマを世に送り出すことの難しさが、そこには存在するのです。


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カブリオのインテリア。こんなところに普通つかわないでしょう?ってところに効果的に使用されたファブリックがモダンで新鮮!!!

 そこで、利益を生むために無視できないのが、超巨大マーケットであるアメリカです。

 当初「スマートなんてアメリカじゃ絶対売れない」ともささやかれていましたが、フタを開けてみればスマートはアメリカでも大いに受け入れられました。ウェブサイトにて行われたキャンペーンは、『99ドルでスマートが予約できます!』というもの。スマートフォンのハナシじゃないですよ! このちょっとユニークな方法により、2007年の7月には2万件、同年11月には3万件の予約を突破しました。

 その昔アメリカでは、ガソリンがペットボトルのお水よりも安い時代が長く続きました。

 それにより、ガソリンを撒いて走っているような、“バカ・スペック!”と言っても過言じゃないほどのマッチョな巨大クルマが、いわゆるアメ車として製造されてきたわけですが、近年の世界的なガソリン価格の高騰から、低燃費思考、環境負荷に対する関心が高まり、スマートのような小型車の需要がぐぐっと急上昇してきました。これが、追い風となったのは言うまでもないでしょう。

 ずっとスマートが提唱し続けてきたコンセプトが、ユーザーの需要と合致する時代になってきました。

 カタログの1ページめにはこう書かれています。

 『スマートの時代が来ました。時代がやっとスマートに追いついたのです』

 アメリカという市場を手に入れたスマートは、いままで以上に世界に愛される存在になりうるのでしょうか。

 さあ、肝心の試乗リポートです!!

 ……と言いたいところですが、今回はここまで。次回はなるべく早く、皆さんにスマートの乗り心地について、お届けします。

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筆者プロフィール

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今井優杏(イマイ ユウキ)

2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!


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