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“カメラの祭典”でPC周辺機器をチェックCP+2011(1/2 ページ)

» 2011年02月09日 19時26分 公開
[ITmedia]
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カメラと写真の総合イベントが横浜で開催

 CP+はカメラ映像機器工業会(CIPA)が主催のカメラと写真映像の総合イベントだ。会場には各カメラメーカーのブースが大きく陣取り、それぞれ春商戦向けに投入する新製品をいっせいに披露している。2011年は99社/団体が出展するなど、昨年を上回る盛り上がりを見せているようだ(登録来場者数は速報値で8766人)。

 展示の主役は当然デジタルカメラだが、その一方で、イメージングソリューションを扱うPC周辺機器を出展するブースも多い。撮影した写真を印刷するにはプリンタが必要だし、写真をPCで閲覧・レタッチする際には、正しい色を表示できるディスプレイが求められる。ここではPC USER的な視点からCP+の見どころを紹介していこう。なお、カメラに関する新製品や新技術の詳細は、デジカメ専門媒体のデジカメプラスがお届けする予定だ。

→・昨年を上回る規模でCP+開幕 参考出展や話題の製品も多数展示

「プロセレクション」シリーズ最高画質の新鋭機「PX-5V」――エプソンブース

A3ノビ対応の新モデル「PX-5V」。実売価格は8万円台後半。2月下旬に発売される

 多くのデジカメ愛好家が利用しているプリンタメーカーの1つがエプソンだ。特に同社がプロフェッショナル/ハイアマチュア向けに展開するA3ノビ対応プリンタ「プロセレクション」シリーズは、キヤノンのカメラを所有するユーザーにも利用されており、“カメラを問わず”幅広い層に支持されている。エプソンのブースには一般初公開となる「PX-5V」が大々的に展示され、CP+会場を訪れた写真愛好家たちは興味深そうにスタッフの説明に耳を傾けていた。

 PX-5Vは、ビビッドマゼンタ/ビビッドライトマゼンタを含む顔料系の「K3(VM)」インクを初採用した「PX-5600」の後継機にあたる。従来機の高い色再現性を引き継ぎつつ、最小インクドロップサイズを2ピコリットルまで微細化することで、肌の暗い部分や夕焼けの影などに見られる粒状感を抑え、階調表現を高めたのが特徴だ。

 さらにボディ設計を見直し、スイッチバック機構による前面給紙/前面排紙を実現した。背面から用紙をセットし、前面に排紙されるこれまでの構造は、プリンタ設置場所の奥行きがそれほど必要ない半面、プリンタをラックなどの高い場所に置くと、用紙セットの際に手が届かない、見えないといった不満があった。今回のPX-5Vではこの部分が解消されている。また、インクの交換に手間がかかるという声に対しては、新たに大容量インクカートリッジを用意し、さらにフォトブラックとマットブラックを含む9色すべてを同時搭載できるインクシステムを採用した(従来は用紙にあわせてブラックを切り替える必要があった)。

エプソンのブースでは、iPhoneで撮影した写真をアプリで編集し、本格的な写真印刷を行うユニークなデモも行われている。ちなみにプリントには「PX-5V」を使用していたが、オーバースペックのような気がしないでもない……(写真=左)。写真編集用マシンとしてエプソンダイレクトの高性能デスクトップPC「Endeavor Pro4700」も展示。CP+来場者限定で最大2万3830円値引きされるキャンペーンを実施していた(写真=中央)。撮影するカメラ、レタッチに使うPCディスプレイ、そして最終的な出力のプリンタと、各機器のカラーマッチングを説明するセミナーに多くの来場者が耳を傾けていた(写真=右)。

プロの写真家が撮影から出力までを実演――キヤノンブース

A3ノビ対応の顔料系プリンタ「PIXUS Pro9500 Mark II」

 エプソンと並ぶプリンタメーカーの双璧であるキヤノンのブースでは、2月7日に発表されたばかりの「EOS Kiss X5」や「EOS Kiss X50」といった最新のデジタル一眼レフカメラが披露され、多くの来場者でにぎわっている。

 一方、写真家向けのA3ノビ対応インクジェットプリンタとしては、「PIXUS Pro9500/9000 Mark II」が展示されている。前述したエプソンの「プロセレクションシリーズ」に競合する製品で、こちらは2009年3月に発売されたものだ。カラーマネージメント機能を備えたナナオの液晶ディスプレイと組み合わせて、カメラによる撮影だけでなく、写真のプリントまで含めたトータルな提案を行っている。

 また、ブース内に簡易スタジオを設けて、写真家の平山ジロウ氏と曽根啓之氏によるモデル撮影も実演。希望する来場者には、「PIXUS Pro9000 Mark II」で印刷した撮影画像を配布したり、カレンダーやフォトブックといったさまざまなプリントアイテムを作り出す展示をしていた。なお今回は、“PIXUS Pro9500 Mark IIの後継機”にあたる参考モデルは披露されていない。

平山ジロウ氏がスタジオでモデル撮影を実演(写真=左)。出力には染料系の「PIXUS Pro9000 Mark II」を使用していた(写真=中央)。ブースの一角では、DPP(Digital Photo Professional)を使ったRAW現像の調整からプリントまで、ハイアマチュア向けのプリント講座も実施している(写真=右)

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