せっかく撮影した写真は出力にもこだわりたい、そんなニーズから注目を集めているのが、画質で定評のあるナナオの液晶ディスプレイだ。特にハードウェアキャリブレーションに対応するカラーマネジメントモデル「ColorEdge」は、出版やデザイン業界でも広く導入されており、プロ/アマチュアを問わず写真愛好家に定評がある。液晶ディスプレイで表示される写真とプリンタで出力される結果のカラーマッチングで、すぐに思いつくのが「EIZO」ブランドだろう。例えば、先に挙げたエプソンとキヤノンのプリンタの展示で利用されていたのは、いずれもナナオのディスプレイだった。そのナナオのブースでは、3月23日発売予定の「ColorEdge CG275W」と、同日販売が開始された「FlexScan SX2762W-HX」が早速展示されている。
ハードウェアキャリブレーション対応の「ColorEdge CG275W」は、出版・デザイン業界など、色再現性が求められる現場で広く利用されている。キャリブレーションセンサーを内蔵するほか、外付けセンサーの測定結果を内蔵センサーの測定結果に合わせる機能も備える。この機能を利用して、ColorEdge CG275WとiPadの液晶ディスプレイをカラーマッチングするデモも実施していた(外付けセンサーでiPadの色度やガンマなどを測定し、その結果を「ColorNavigator」に入力、キャリブレーションを実行する)。
同社スタッフによると、iPadの色域は通常のsRGBに比べてかなり狭く、iPad向けコンテンツをPCで開発すると、実際にユーザーがコンテンツを見たとき、制作者の意図しない色で表示される可能性があるという。実際、一連のデモで測定値を眺めると、大きく差があることが分かった。配布するのがユーティリティ系のアプリであればそれほど影響はないが、グラフィックスにこだわったゲームや、iPad向け写真集などの電子書籍を制作する際は考慮しておくべき問題だろう。
一方、同日販売が開始された27型ワイド(2560×1440ドット)のIPS液晶搭載モデル「FlexScan SX2762W-HX」も展示されている。業務用途に対応した「ColorEdge」は、一般の写真愛好家にとってはややオーバースペックな印象もあるが、SX2762W-HXはキャリブレーションセンサーを内蔵しない半面、価格は12万4800円(EIZOダイレクト価格)と、CG275Wに比べて10万円以上も安い。
また、オプションで提供される「EIZO EasyPIX」にも対応しており、簡易的なカラーマッチングが可能だ。さらに、2月9日から配布が始まった「EasyPIX Software ver.2.0」を使えば、デスクトップに表示された写真と実際の写真を見比べながら、色や明るさを調整できるほか、目標値を数値で設定できる上級者向けのキャリブレーションモードも備えた。「SX2762Wは“高画質をできるだけ安価に”がコンセプトです。EIZO EasyPIXの最新バージョンは、これまでカラーマネジメントになじみのなかったデジタルフォトユーザーの方に是非使ってほしいですね」(同社)。
ディスプレイメーカーではもう1社、三菱電機も広色域モデルの「RDT241WH」「RDT221WH」やスタンダードモデルの「RDT241WEX」などを並べ、カラーマネジメントを訴求する展示を行っている。センサーを使用したハードウェアキャリブレーションだけでなく、専用ソフトウェア「EASY COLOR! 3」と付属の色調整用チャートを使って、より簡易にカラーマッチングできるのが特徴だ。
「写真を趣味とする人の悩みとして、“印刷したものと画面の色があわない”という声をよく聞きます。そこで、できるだけ広い層にカラーマネジメントに触れてもらうため、三菱では“簡単カラーマネジメント”をコンセプトにEASY COLOR! 3を使った方法を提案しています。わずか2ステップの簡単な作業で100点中90点くらいは色を合わせられます」(同社)。
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