今回の7機種のうち、6機種は電源オフ時でもGPSが定期的に測位しようとする。よって、電源オフのまま放置しておいても、GPSユニットが徐々に電力を消費していくわけで、今までのデジカメとは別の視点で、バッテリーの持ちが気になるのだ。あまりにGPSのせいでバッテリーの持ちが悪くなるようなら対策が必要になる。
結果はけっこう単純に出る。
「電源オフ時の測位頻度が高い機種」は持ちがわるいのだ。
1日あれこれ撮影したのち、翌朝までそのまま放置してみたところ、最初にバッテリーがなくなったのが、キヤノンのPowerShot SX230 HS。GPSをオンにしたまま放置すると翌日にはもうほとんど残ってない。だから、出発直前に確実に充電するか、不要時はマメにGPSをオフにしないとつらい。
次に消費が激しかったのはペンタックスのOptio WG-1 GPS。まあこれは15秒に1回測位なので消費するのもしょうがないのだが、PowerShot SX230 HSよりはがんばった。測位頻度を落とせばここまでは減らないだろう。
電源オフ時に測位しないDSC-HX9Vと、ジャイロセンサーを使って測位をコントロールする上に他製品の約2倍の大きなバッテリーを持つカシオのEX-H20Gは特に気にしなくていいレベル。これはよい。
それ以外の機種は神経質になる必要はないが、やはりGPSをオフにしたときに比べるとバッテリーの減りははやい。使わないときはGPSをオフにするか、使用前日に忘れずに充電したい。
えっと、今回はカメラとしての評価はほとんどしてないので、それは個別のレビューを見ていただければ。
GPSを気軽に使って位置情報がそれなりにちゃんと記録されるデジカメはどれかというと、「これなら使える」級は2機種。カシオのEXILIM EX-H20GとペンタックスのOptio WG-1 GPSである。個人的なイチオシはカシオのEX-H20Gだ。縮尺は粗めだけど地図も内蔵しているし、バッテリーの持ちもいい。Optio WG-1 GPSに比べるとカメラとしての性能も多少よい。
Optio WG-1 GPSはアウトドア用セカンドカメラとしていい。何しろコンパクトで防水&耐衝撃性と屋外へ気軽に持って行けるので、メインデジカメを別途用意し、WG-1 GPSはちょっとした画像記録&ルート記録として使うのならいい感じだ。ただし、ログファイルには緯度経度しか記録されないので(ロガーとしては緯度経度とともにそこにいた日時も記録されるべき)、いわゆる「GPSロガー」としては使えない。ここがとても残念。
惜しいのがキヤノンのPowerShot SX230 HS。バッテリー消費が激しいことと、最初の測位に難がある(失敗することもあった)ことを除けば悪くない。画質面でも今回の7機種ではDSC-HX9Vと並んでトップクラスである。裏面照射型CMOSセンサーだし。
ソニーのDSC-HX9VはGPSアシストデータの効き次第。上手くすればコンスタントに10〜15秒くらいで測位してくれるだけに、2010年モデルのDSC-HX5Vに比べて効きが悪かったのは気になる。トレッキングに持って行くならパナソニックのDMC-FT3やオリンパスのOLYMPUS Tough TG-810も悪くない。特にDMC-FT3の高度計は細かく表示してくれて便利だ。
今回、思ったより各カメラのGPSの性能差が出た。ただし、GPSユニットの性能って、ちょっとした条件で大きく変わるので、参考までに、ってことで。
電源ボタン長押しでGPSのオンオフができる、あるいはGPSボタンをつけるなど、メニューを介さなくてもGPSの設定ができるようになると、使い勝手もあがるだろう。こうしたジオタグ付の写真がたまってくると、写真の新しい楽しみ方が見えてくるはず。それでどう遊ぶか、どう活用するかは使う人次第です、ってことで。
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