視点をコンパクトデジカメ全体に移すと、スマートフォンの普及でコンパクトデジカメはその役割がスマートフォンと重複しない「高級志向」「タフネス」「高倍率ズーム」のいずれかに分類される製品が多くなっている。非常に低価格(そして上位機に比べると限られた機能しか持たない)なコンパクトデジカメに需要がなくなったわけではないが、その需要が伸びていくとは考えにくいので、これは妥当といえる。
「高級志向」モデルでは、富士フイルムが「FUJIFILM X100S」「FUJIFILM X20」、シグマが「SIGMA DP3 Merrill」をそれぞれ発売前ながら多数用意したほか、ペンタックスリコーイメージングが「MX-1」を参考展示した。ニコンやキヤノンの新製品も用意されていた昨年に比べるとやや勢いとしては鈍化した感もあるが、ジャンルとしての定着が進んだ結果だろうと思える。
「タフネス」「高倍率ズーム」は各社が新製品をCP+に展示したが、大きな技術的ブレイクスルーはなく、現行モデルのマイナーアップデートという印象がぬぐえない。ただ、ワイヤレス充電規格「Qi」による充電に対応するタフネスモデル(ペンタックス「PENTAX WG-3 GPS」)が登場したほか、昨年春モデルから搭載する製品が増えてきたWi-Fiによるスマートフォン連携もその手法が洗練されつつあり、NFCによって接続情報をやりとりすることでWi-Fi接続の手間を大きく省く製品(パナソニック「DMC-TZ40」など)が登場するなど進化は続いている。
こうした「つながる技術」は現在のところスマートフォンと競合する立ち位置にあるコンパクトデジカメを中心に搭載されているが、利便性を考えるとミラーレスやエントリーからミドルクラスの一眼レフへの波及も十分にあり得るだろう。既にソニー「NEX-5R」「NEX-6」やキヤノン「EOS 6D」、パナソニック「DMC-GH3」などがWi-Fiを搭載しているが、今後もこうした流れは加速するだろう。
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