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第168回 個性あるポートレートと光の関係今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)

» 2013年09月20日 00時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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その場の雰囲気を生かして普段とは違うテイストを

 さて、今まではカメラ目線の普通のポートレートをあれこれ試しながら撮ってみた。最後はちょっと普通じゃない写真を楽しんでみることにするのだ。

 古民家があったりしたら絶好の撮影ポイントである。暗い場所では古民家的暗さを強調してみようってことで-2の補正をかけ、顔にほんのり陽射しがあたるだけにしてみる。やわらかい逆光はほんのりと輪郭だけ浮かび上がらせてくれる。

photo マイナスの補正をかけてちょっと陰うつとした雰囲気の写真にしてみた

 窓からほんのり入る光というのはなかなか使いやすくていい。窓から入る光がほんのりと向こうから顔を照らす位置を見つけると、写真に雰囲気が出てくる。

photo 影はわざと暗くして、顔だけがほんのりと明るく浮かび上がる感じ

 柔らかい光と影って感じで。

 例えばこんな縁側ひとつとっても、光の使い方がで雰囲気ががらっと変わる。

photo 古民家の縁側で

 ここに座ってもらって2枚の写真を撮ってみた。

 1枚目は陽射しがうっすらと差し込む畳がわかるように少し上からたそがれた感じで。空間を生かすために顔と身体は大胆にカット。目線はわざとはずしてる。その方がこの場所に似合いそうだから。

photo 少し上から畳の雰囲気を背景に入れてみた

 2枚目は少し低い位置から背景を全部暗部にして淫靡な雰囲気を。

photo 正面少し下から背景の暗さを生かす感じで

 ほんのちょっとしたことでテイストががらっと変わるから写真って面白いのだ。

 目線をはずしてるのはわざと。目線があると撮る人と撮られる人という関係が薄れて、物語性がでてきたり、一瞬を切り取った感が出てくるから。時には目線を外したり大胆に切り取ってみたりするのはお勧め。

 お次は洋館。同じ位置からマイナスの補正をかけてシルエットにした写真と、思い切りプラスの補正をかけて背景を飛ばした写真の2パターンをどうぞ。

photo -1.3の補正でシルエットに
photo +1.7の補正で背景を飛ばして明るく。

 周りに何もないところにひとりだけぽつりという感じを出すために彼女を中央において広角で狙っております。個人的には背景を思い切り飛ばしてそこがどこかわからない感じが、非現実感があり、幻想的でいい。

 今回は女の子をきれいにかわいく撮るだけじゃなくて、その場の雰囲気を生かしてアーティスティックにも撮ってみた。あ、ここでこう撮ったら面白そう、と思いついたら試してみる。それが楽しいかと。

 最後におまけ。畳の部屋があったので、「これはあぐらしかない」と、あぐらを組んで座ってもらって撮ったのがこちら。

photo 50ミリ/F1.8で。暗い部屋ではISO感度を高めにしてさらに手ブレに注意

 左右から柔らかい光がはいって、きりっとした感じに。これから何かがはじまりそうな予感がよくないですか?

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