デート企画は無事終了しましたが、連載はもうちょっとだけ続きます。100回以降は新企画も。さてさて、今日はミソノから紹介するようです。
花曇りのこの街に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
今日はミソノからメイドへ、本をおすすめするようですよ。
エリスさんは子どものころに、飛び出す絵本に憧れたりしませんでしたか?
したわ! 大きくなった今だって、『ふしぎの国のアリス』の仕掛けの細かさにうっとりしたり、「スター・ウォーズの飛び出す絵本なんてあるのね!」と驚いたり。わくわくするわね!
幼いころは「ページが閉じているときはどうなっているのかしら」と不思議に思って、そーっとページを開けながら、極限まで紙に顔をくっつけてのぞき込んだものです……。
あら、ここに「仕掛け絵本を作ってみたいと思ったことはありませんか?」って書いてあるわ。
そうなんです! 飛び出す絵本を見て「すごい!」と驚いて、「どうなっているのかな?」と不思議に思って……そして作ってみたくなる! この本は、そんな気持ちになったことのある人ならきっとわくわくする本ですよー。
わっ! 最初のページさっそく仕掛けが飛び出すのね! わー!……わー?……飛び出したのは……何かしら、これ……。
手を広げたエリマキトカゲみたいな謎の生き物が飛び出して来たでしょう?
何だかよく分からないけれど、とっても凝った仕掛けね。
この本は、この凝った仕掛けのように、仕掛け絵本の制作テクニックを丁寧に紹介した本なんです。
2ページ目では、手のひらサイズの紙片がずらりと並んでいて……。
その小さな扉のような紙もめくってみてください。
あら! ピラミッドみたいな三角が立体になりました! こっちは円柱形が立ちあがったわ! ひとつひとつが制作の手引きになっているのね。
だいたい見開き1ページに4個〜6個の作例とテクニックが紹介されているのですが、それが全部別紙で貼りつけてあるので、すべてを手元でまじまじと見ることができるんですよー。しかも、横に添えられた解説文は、きちんと角度や折り方に言及しているのに文章がコンパクト!
的確かつ端的な解説によって、否応なく「作れるかも……作ってみちゃおうかな!」と気分が盛り上がってくるわね。しかも飛び出すだけじゃなくて、くるくる回したり、引っ張ったりする仕掛けもあるなんて!
つい、くるくるくるくる回してしまいますよね。テクニックの解説本なのに、触っているだけでこんなに楽しいなんて。
うーん、この「円盤つきの箱」という仕掛けが、だんだん人工衛星みたいに見えてきたわ……。
丸いものがくっついている様子、似ているかも! うふふ。作例は真っ白の紙なので、触っているうちに、「これって何かに似ているわ」と想像しちゃいますね。それがポップアップを作る第一歩でしょうか。
この本にも、「自分の頭にうかんだアイデアをどんどん紙に描いていきます」とあるものね。
この本を読んだなら、どんな仕掛け絵本も作れそうな気がします! けれど、それほどたくさんのテクニックを紹介していながら、とある作例のコメントには「よくできたポップアップは、もっともシンプルであることが多いものです」と書いてあります。
そんなコメントを読んでしまうと「技術はシンプルでも面白いものができるんだ!」とますますやる気になってしまうわ!
実はこの本、ちょっとした気分転換に持ってこいだと思うんですよー。
あ! 仕掛けが飛び出ると、思いも寄らない方向から頭の中をほぐされた感じがあるかも。
気が付いたら、ぺらぺらめくってるだけで時間が経ってしまう魔性の本でもありますが……。大きくてしっかりした作りの本を開けば、たくさんの胸躍る仕掛け絵本のテクニックが、これでもかと心のわくわくスイッチを押してきます! こんな小さな紙のギミックなのに、可能性は無限大!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.