新庁舎のネットワークではNEC製の「UNIVERGE PFシリーズ」を導入して、コントローラ2台による冗長構成とし、OpenFlowスイッチ4台でコアネットワークを構築した。また、様々な用途の端末が接続される会議室部分にもOpenFlowスイッチ1台を配置した。
コアネットワークには、住民基本台帳や税務、業務事務など計15システム、約450台が接続されている。各システムでのスイッチやエッジスイッチは、従来型の機器や旧ネットワークで利用していた機器をそのまま導入した。
移転に伴ってネットワークの構成は大きく変更されることになったが、移行作業は5月の連休中のわずか4日間で完了させなくてはならず、作業にあたっては「スケジュールとそれを実行できるように各システムの移行に関わる調整に留意しました」(青木さん)という。
作業では現場の要望から設置個所を変更したり、途中で準備していたポート数が足りなくなったりするなどの事態が発生。その対応では、以前まで使用していたセグメントなどの設定が違っているスマートスイッチを急ぎ移設したが、SDNを活用したことで再設定せずにセキュリティを確保した状態で接続できたなど、再設定に要する手間や時間を最小限に抑えられたという。
またシステム用ネットワークの追加が急に発生した際も、他のネットワークとのアドレス体系等を含めて調整をすることなく、仮想ネットワークを構築して対応した。「この柔軟性は非常に心強いものでした」と青木さんは振り返る。
大きな問題はなく移行作業は完了。連休後の新庁舎での業務開始に合わせて新ネットワークが稼働した。「関係各社のエンジニアの方々も的確に対応していただけました。これも成功の大きな要因だと考えています」
自治体システムで今後に予想される大きな作業が、2015年10月に始まる「マイナンバー制度」への対応だろう。西原町の新庁舎ネットワークは、こうした変更にも対応できる柔軟性を実現しているとのことだ。
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