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次世代DVDへの期待と要望麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(4/4 ページ)

» 2006年04月01日 16時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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――次世代DVDメーカーへの要望を。

麻倉氏: とにかく両陣営に「いいものをしっかり作って欲しい」というのが私の希望。特にハイエンドの市場をしっかり形成していって欲しいですね。

 エソテリックのユニバーサル・トランスポート「P-03 Universal」という168万円のプレーヤーが先ごろ出たのですが、同じディスクをかけても観たことのない映像、聴いたことのない音が出てくるのです。私がイベントでよくかけるMISIAの2002年のライブを再生してみると、音の情報量、音楽性、盛り上がり方などが、体験したこともない映像と音になって表現されます。つまり、ディスクにどのくらいリソースが入っているかというのは、ハードの状況によってかわってくるのです。

 リソースをあますところなく出してくれるプレーヤーは、やはりこだわりと情熱の産物です。次世代DVDでも、マニアにきちっと評価されるものを作っていくことが、ハイビジョン文化を健全に育ていくことにつながるでしょう。東芝にはさらに良いモノを期待します。BD陣営も、さすがBDは凄いといわれる製品を作って欲しい。


麻倉怜士(あさくられいじ)氏 略歴

 1950年生まれ。1973年横浜市立大学卒業。 日本経済新聞社、プレジデント社(雑誌「プレジデント」副編集長、雑誌「ノートブックパソコン研究」編集長)を経て、1991年にデジタルメディア評論家として独立。自宅の専用シアタールームに150インチの巨大スクリーンを据え、ソニー「QUALIA 004」やBARCOの3管式「CineMAX」といった数百万円クラスの最高級プロジェクターとソニーと松下電器のBlu-ray Discレコーダーで、日々最新AV機器の映像チェックを行っている、まさに“映像の鬼”。オーディオ機器もフィリップスLHH2000、LINNのCD12、JBLのK2PROJEST/S9500など、世界最高の銘機を愛用している。音楽理論も専門分野。
 現在は評論のほかに、映像・ディスプレイ関係者がホットな情報を交わす「日本画質学会」で副会長という大役を任され、さらに津田塾大学の講師(音楽史、音楽理論)まで務めるという“3足のワラジ”生活の中、精力的に活動している。

著作
「久夛良木健のプレステ革命」(ワック出版、2003年)──ゲームソフトの将来とデジタルAVの将来像を描く
「ソニーの革命児たち」(IDGジャパン、1998年 アメリカ版、韓国、ポーランド、中国版も)──プレイステーションの開発物語
「ソニーの野望」(IDGジャパン、2000年 韓国版も)──ソニーのネットワーク戦略
「DVD──12センチギガメディアの野望」(オーム社、1996年)──DVDのメディア的、技術的分析
「DVD-RAM革命」(オーム社、1999年)──記録型DVDの未来を述べた
「DVD-RWのすべて」(オーム社、2000年)──互換性重視の記録型DVDの展望
「ハイビジョンプラズマALISの完全研究」(オーム社、2003年)──プラズマ・テレビの開発物語
「DLPのすべて」(ニューメディア社、1999年)──新しいディスプレイデバイスの研究
「眼のつけどころの研究」(ごま書房、1994年)──シャープの鋭い商品開発のドキュメント


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