松下電器産業「LUMIX DMC-L10」は、一昨年に発売した「DMC-L1」に続く同社では2台目となるデジタル一眼レフ。本体重量480グラムの軽さで、サイズも小さめ。ただし、レンズキットに付属する標準ズームレンズはやや大柄で、レンズを含めた全体としては標準的なサイズと重量になる。
最大の特徴は、左右に180度、上下に前後に270度まで回転するフリーアングル液晶を備えること。そして視野率100%のライブビュー表示ができ、コントラスト検出AFによってスムーズにピントが合う。ソニー「α350」の位相差検出AFに比較すると、AFスピードではやや劣り、シャッターボタンを押した瞬間には内部のミラーがぱたぱたと動くのは少々気になるとはいえ、シャッターボタンの半押しでAFが作動するなど、ライブビュー全体の操作感覚はほぼ互角で、縦位置のフリーアングル撮影ができる点では上回る。
ライブビュー時のAFフレームは11点から選択でき、顔検出AFも利用できる。画面9分割のガイドライン表示や、8倍の拡大表示、ヒストグラム表示、デジタルズームにも対応する。惜しいのは液晶の視野角が狭いことと、表示の発色があまりよくないこと。ただ、それでもα350と並んで実用性の高いライブビュー対応機であることは確かだ。
一方、ファインダーは視野率95%倍率0.92倍のミラー式。倍率は高いが撮像素子が小さいため、ファインダー表示は小さめ。標準付属するマグニファイヤーアイカップを接眼部にセットして、ファインダー倍率を1.2倍に拡大できるのはありがたい。
手ブレ補正は、レンズキットに付属する標準ズームなど、レンズ側の補正機構で対応。ゴミ対策は、オリンパスから受け継いだ超音波振動によるノンダストシステムを搭載する。
操作面では、今回の特集で紹介した9製品の中では唯一、グリップ部の前後に2つのダイヤルを備える点がポイントだ。マニュアル露出モード時に、片方で絞り値を、もう片方でシャッター速度をそれぞれダイレクトに調整したり、絞り優先AEやシャッター優先AEモード時に露出補正をスムーズに設定できる。ほとんどのボタンやダイヤルの位置が右手側に集中に、各種機能を片手で素早くセットできる点も非常に使いやすい。
撮像素子は、フォーサーズサイズの有効1010万画素Live MOSセンサーを搭載する。撮像素子や処理エンジンの性能に加えて、付属するキットレンズの切れ味のよさがはっきりと表れ、画面の四隅までシャープネスの高い画像を得られる。
ここまで、オリンパス「E-420」と「E-520」、キヤノン「EOS Kiss X2」と「EOS Kiss F」、ソニー「α200」と「α350」、ニコン「D60」、ペンタックス「K200D」、松下電器産業「LUMIX DMC-L10」と9台を紹介してきた。最終回となる次回は気になる画質について比較する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR