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» 2012年01月24日 18時27分 公開

麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」:米国でスマートテレビが流行る理由――CES総括(前編) (3/3)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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 クラウドベースのコンテンツ活用という文脈では、ソニーとSamsungの動きに注目でしょう。ソニーの「PlayMemories」は、クラウドに写真コンテンツを集め、対応デバイスから活用することができます。対応デバイスといってもソニー製品ばかりではありますが。ネットワークサービスプラットフォーム「Sony Entertainment Network」ではコンテンツからディストリビューション、端末に至るまでの垂直的なソリューションでその強みが生かせます。

CES開幕前日に行われたソニーのプレスカンファレンス

 Samsungは、「Family Story」という新しいアプリを作りました。子どもの成長記録などが簡単に制作できるものです。リビングで大きな画面で見るには家族向けのコンテンツが適していると判断したのでしょう。

 さて、テレビがさまざまな機能を持つようになると、大変なのがユーザーインタフェースです。毎年、CESの開幕前々日にCEAからその年の傾向(インダストリアル・トレンド)が発表されるのですが、その中に「テレビはコンピューターのパワーを必要としている」という話がありました。Samsungがデュアルコアの独自チップを採用すると表明したことからも分かるように、各種ネット機能やアプリ、リッチなUIを動かすために処理スピードが求められるということです。これまでの家電は、最低限のパワーとメモリを入れて単機能で提供するのが一般的でしたが、Samsungの発表もあり、来年には各メーカーが処理能力向上に追随する可能性が高くなったといえます。

 先ほどのCEAのトレンド講義では、もう1つ「インタフェースが重要だ」とも言っています。例えばLGは、去年あたりから「マジックリモコン」といってWiiリモコンのようなリモコンを作っていますが、今年はXbox360のキネクトのようなジェスチャー入力を展示しました。また音声入力もSamsungとLGの両社がサポートするようです。

 日本メーカーでは、東芝が数年前からジェスチャーリモコンを開発していますね。これまではDVDの早送り程度でアプリケーションが少なく、実用性が低かったのですが、スマートテレビによってここまでテレビが複雑化してくると、さまざまなユーザーインタフェースが登場するかもしれません。

 一方、ハードメーカーのプラットフォームに載るサービスの開発も盛んになってきました。例えば、米Gracenoteの「Entourage」が面白かったです。Entourageは、「召使いのチーム」という意味で、名前はテレビドラマのタイトルからとったそうです。スマホには専用アプリを導入し、マイクであらゆる音をチェック。ラジオやテレビの曲を拾うと、番組検索機能を使って番組を特定し、そのさまざまな情報を教えてくれるのです。いわば、メタデータを可視化するもの。将来的には物販につなげたりもできる、最強のコンテンツマネジメントが可能になるソリューションといえるでしょう。先に紹介したRoviの「Total Guide」なども含め、スマートテレビ向けテレビ情報サービスの開発が盛り上がってきた。そんな印象を受けました。

 後編では、注目の自発光パネルや高解像度化の流れなど、ハードウェアの動向を中心に解説していきます。

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