楽曲は基本的にストリーミングで配信され、独自のDRM(著作権保護技術)付き。このため再生環境はSTBと専用アプリ「プレイヤー」に限られる。フォーマットはAACの128kbpsおよび320kbpsが用意されており、有線接続のSTBやWi-Fi接続時のスマートフォンなら320kbpsが利用できる。3GやLTE接続のスマートフォンでは128kbpsになるが、スマートフォンではローカルストレージに楽曲をキャッシュ(一時保管)することが可能だ。つまり、自宅のWi-Fi環境で320kbps版をキャッシュしておけば、外出時も高音質で楽しめる(3G/LTE回線でも128kbpsでキャッシュは可能)。
キャッシュ容量は、アプリの設定メニューで1G/2G/4G/8Gバイトの4つから選択が可能。MAXの8Gバイトを割り当てた場合、約1600曲を持ち運べる計算になり、1曲4分としても総再生時間は100時間以上。モバイル用としては十分だ。
STBやアプリのメニューには、お目当ての楽曲を探すための手段が充実している。アーティスト一覧やジャンル別リストに加え、あるテーマやアーティストにフォーカスした“特集”を多数用意した。例えば、エクササイズに便利な「ジョギング」、カラオケの練習に使える「定番カラオケ」、さらに「卒業ソング」や「さくらソング」「高校野球シーズンに聴きたい曲」といった季節にあわせたテーマも多数用意する。
また、「What's New」コーナーには、「注目アーティスト」や「ジャケ写イチオシ」、「心に刺さるワンフレーズ」といった独自のチョイスが並ぶ。これらの編成はNTTぷらら社内で行うため、楽曲は同じでも「レコチョク Best」とは切り口が異なるのだという。
「レコチョクの場合は、もともと“着うた世代”のユーザーが多いため、ターゲットはF1層と聞いています。ひかりTVの場合は家族向け。STBとの連携も特長なので、今後は映像と音楽を連動させたテーマ特集なども検討していきたいです」。ちなみに、これらのテーマを探しているときも再生中の楽曲は止まらない。次の楽曲を指定して、初めて切り替わる仕組みだ。
一方、STBのユーザーインタフェースは、テレビ画面とリモコン操作にあわせて作ったという。例えばdボタンで「便利メニュー」を表示したり、カラーボタンの「青」でマイリスト登録など、画面のシンプル化とともに操作のステップを極力少なくした。また、スマートフォンとの間で「マイリスト」を相互に利用できるのも特長。例えば移動中に気になった曲を登録しておき、自宅のオーディオ機器でじっくり聴くといった使い方ができる。
「今後の課題は、PCに入っている楽曲やCDとシームレスに利用したいといったニーズに応えられるかです。スマートフォンでは配信楽曲とローカルの楽曲をあわせてプレイリストを作ることもできますが、STBにはストレージがありません」。例えば米国でAppleが提供している「iTunes Match」のようにクラウドサービスによって連携させる手法も「日本のレコード会社が許可してくれたら挑戦したい」と話していた。
音楽市場の再活性化を目指す“聴き放題”サービスをアピールするため、ひかりTVはオリジナルのサービス紹介動画(TV CMではない)を作成、YouTubeの「ひかりTV公式チャンネル」で公開している。
湖畔をバックに、音楽を聴いている「ひかりカエサル」が涙を流す。これは、音楽業界が一番輝いていた時代へのオマージュ。カセットテープからCD、音楽配信へと形は変わっても、音楽を聴く感動は変わらない。そんなメッセージが込められている、と思う。
※ 意味が分からない人は、30代後半以上の人に聞いてみてください
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