各ユニットを駆動するS-Masterデジタルアンプは、全ユニットを独立して駆動するディスクリートタイプとした。BDなどのサラウンドソースは7.1chデコードされた後、「S-FORCE PROフロントサラウンド」をベースにした信号処理技術により、センターチャンネルとレフト(L1〜L3)、ライト(R1〜R3)の3chに割り振られる仕組み。「濃密で広がりのある音場を作り出す」(同社)。
“濃密な音”という部分については、新たに搭載された「波面制御技術」による部分が大きい。これは複数のスピーカーを直線上に並べたアレースピーカーを利用して、音像を“波面状”に広げるというものだ。「一般的なシアター機器で再生したときは、視聴位置によって音波の到達時間に差が生じ、聞こえ方に差が生じる。しかしアレースピーカーで指向性を下げる(広げる)ことで、スイートスポットを広げながら豊かな音の広がりを感じ取れる」という。
スイートスポットが広がると、視聴時の姿勢に自由度が増す。例えば、家族がソファーに横並びに座っていても、皆が同じサウンドを楽しめる。あるいは、「一人で見ているとき、テレビの前にゴロリと寝ころんでも、今までのような違和感がない」(同社)という。
サウンドモードは、テレビドラマやニュースに適した「TV VOICE」、映画向きの「SORRUOUND」、ステレオ音楽再生用の「PURE AUDIO」、スポーツ中継を想定した「SOCCER」の4つ。付属のリモコンで切り替え可能だ。
映画などを視聴する際、人の声やセリフ(センター成分)の聞こえ方をコントロールする「ヴォイス制御」も新しい。リモコンの「ボイス」ボタンを押すと、人の声を含む中音域が持ち上がり、明瞭(めいりょう)に聞こえるほか、ボリュームも少し上がる仕組み。リモコンのボイスボタンは、3段階のトグル動作になっている。
深夜の視聴などで周囲への配慮でボリュームを絞るときは、「サウンドオプティマイザー」が役に立つ。ボリュームを絞ると、中域に比べて高域と低域のレベルが早い段階でオチ、サウンドのバランスが崩れがちだが、サウンドオプティマイザーを使うと通常よりも高域と低域を少し持ち上げて聞き取りやすくする。頭のいいラウドネスといえば分かりやすいかもしれない。
サウンドバーのトレンドともいえるBluetoothも搭載し、スマートフォンやタブレットからワイヤレスで楽曲を再生できる。NFC(Near Field Communication)もサポートしているため、ペアリングや接続もワンタッチ。さらにAACとapt-Xの両コーデックに対応した。対応する端末との組み合わせなら従来より高音質・低遅延の音声が楽しめる。
また、ワイヤレス音楽再生時には同社製Blu-ray Discレコーダーの上位モデルやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に採用実績のある「ハーモニクスイコライザー」を装備。圧縮音源で失われやすい微小な音を再現する技術で、Bluetooth再生時の音質向上にも一役買うという。
背面のHDMI入力は3系統。ARC(オーディオリターンチャンネル)や3Dパススルー、4Kパススルー(30フレームまで)にも対応した。このほか、2系統の光デジタル入力と1系統の同軸デジタル入力、1系統のアナログ入力を備えている。

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