テレビ製品だけでなく、コンテンツ制作の面ではさらに小型軽量化した4Kハンディカムや4Kアクションカムが新たに製品にラインアップされている。ハイレゾ音源対応強化の一環として、ウォークマン高級モデルの新製品「NW-ZX2」が新たに発表されており、昨年IFAで発表されたハイレゾ対応のエントリーモデル「Aシリーズ」と合わせ、幅広いユーザーのニーズをカバーする。
そして今回のCESで最も製品ラインアップの拡充が行われたと思われるのがウェアラブル機器だ。業界では最も早い時期に投入されたソニーのスマートウォッチだが、Android Wearに対応した最新モデルの「SmartWatch 3」では、金属タイプの新しいフレームバンドが提供され、よりビジネスニーズでの置き換え用途を訴求している。ファッションブランドとの提携や独自のアプリ対応への取り組みも引き続き行われており、より生活に密着した活用を模索している様子がうかがえる。
ソニーのウェアラブル製品はこの「SmartWatch」に加え、昨年のIFAでは「SmartBand Talk」が発表され、さらにグラス型の「SmartEyeglass」は正式な商品化が表明されるなど、拡充が続いている。今回はこれに加え、「SmartEyeglass Attach!」「Smart B-Trainer」といったプロトタイプや製品も新たに追加され、個々のニーズに合わせて細分化された製品提供を行っていく戦略が見えてきた。

ソニー独自のスマートウォッチにおける取り組みとして、「Golfshot」や「iFIT」といったアプリの提供や、「Withings」などとのコラボレーションも発表(左)。ヘッドフォン機能や心拍計機能を持つランニングトレーナー機器「Smart B-Trainer」。音声ガイダンスによるトレーニングメニュー解説や、自分の好きな楽曲を入れておくことで、心拍数の変化に合わせてBGMが異なる曲に変化するなどの仕組みが取り入れられている(右)一方で一般コンシューマー以外の販路の開拓も進められており、例えば「SmartWatch 3」では英ヴァージンアトランティック航空との提携で日常業務の中でのスマートウォッチ活用を進めていくほか、「SmartEyeglass」では流通や産業分野での垂直事業での活用の模索が行われているなど、前述のイメージセンサー事業とならび、コンシューマーとともにB to B事業を強化していくのがソニーの狙いのようだ。ソニーに限らず、国内家電メーカー各社はここ数年のCESでB to B強化の方向性を鮮明に打ち出しており、2015年はそれが特に顕著に表れた年といえるかもしれない。
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