シャープは7月31日、決算説明会で北米・中南米地域(ブラジル除く)における液晶テレビの生産・販売から撤退し、中国の家電大手Hisenseと提携してブランドビジネスを推進すると発表した。
2016年1月にHisense子会社に27億円でメキシコの生産拠点を売却する予定で、HisenseグループのHisense HKにSHARP、AQUOS、Quattron(クアトロン)のブランドを供与する。これらの施策は営業黒字化のための構造改革の一環で、オーブンなどの白物家電事業は継続していく。Hisenseとの交渉は5月14日の決算説明会より前から進んでいたという。
シャープの2015年4〜6月期連結決算は、売上高こそ横ばいの6183億円だったが、デジタル情報家電の不調もあり営業損益は287億円の損失となった。シャープは「売上の減少、価格競争の激化、円安の進行による収支悪化に加え、中国液晶テレビの流通在庫対策などの構造改革に伴うコスト増のため」と説明する。
同社の高橋興三社長は「デジタル情報家電事業での赤字の半分は中国だが、現時点で中国の液晶テレビ事業を撤退するつもりはない。流通在庫を削減することで今後は収益を改善できると考えている」と話す。
事業の収益化について質問を受けた高橋社長は、「年間を通して大きな売上を占めるエアコンは7月〜9月期の成績に反映される。4〜6月期は最も売上と利益が冷え込む時期と認識している」と説明した。同社は経営再建の一環で希望退職の募集や社内カンパニー制の導入などを表明しているが、引き続き苦しい状態が続いている。
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