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1台3役で1年中使える――ダイソンから空気清浄機能付きファンヒーター「Dyson Pure Hot+Cool」登場

» 2015年10月06日 15時06分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ダイソンは10月6日、1台で扇風機、ファンヒーター、空気清浄という3つの機能を持つ新製品「Dyson Pure Hot+Cool」を発表した。11月5日からオープン価格で販売する。店頭参考価格は6万8800円(税別)。

「Dyson Pure Hot+Cool」

 ファンヒーターの「Hot+Cool」に空気清浄機能付き扇風機「Pure Cool」と同じHEPAフィルターを搭載した“合わせ技”。冬は部屋を暖め、夏は扇風機として使える。さらに「空気清浄機能は一年を通じて利用できるため、収納スペースの心配がいらない。しかも、とてもコンパクトだ」(ダイソンのシニアデザイン・エンジニア、マーティン・ピーク氏)。

扇風機、空気清浄機、暖房機を並べ、「これが1台で済む」というマーティン・ピーク氏

 ベースが「Hot+Cool」のため、本体は高さ632ミリと控えめ。また、「PureCool」にはなかったチルト機能や、風の広がり方を変更できる「ジェットフォーカステクノロジー」も搭載している。例えば足元に暖かい風を集中させたいときは「フォーカスモード」、家族全員で使うときは「ワイドモード」と使い分けることが可能だ。このほかにも15分から9時間の間でオフ時間を設定できるスリープタイマー、転倒時の自動停止機能などを備える。

「PureCool」にはなかったチルト機能を搭載

スモークを使って「フォーカスモード」と「ワイドモード」の違いを分かるようにした実験映像

リモコン。送風モードは最下段のボタンで1発切替が可能

 交換式フィルターは、形状こそ「PureCool」と異なるものの、基本性能は同じ。0.95平方メートルのマイクロファイバーをプリーツ状に333回折ったという「360°グラスHEPAフィルター」を採用しており、話題のPM 2.5はもちろん、その25分の1サイズとなるPM 0.1レベルの超微粒子状物質をも99.95%捕らえる。花粉や浮遊カビ菌に加え、各種のニオイやタバコの煙まで取り除くという。

HEPAフィルターは交換式。使用期間は1年間が目安

 一方で空気清浄スピードは、8畳間で約30分、23畳間で60分と決して早くはない(適用床面積)。しかしピーク氏によると、このスピードもPM 0.1を取り除く上では重要になるという。「他社の空気清浄機の中には高速で空気を送り込むため、PM0.1のような超微粒子がフィルターを通過してしてしまい、室内に再放出されてしまうものがある。ダイソンは空気の速度もコントロールすることで、PM 0.1を99.95%取り除くことができた」(同氏)。

タバコの煙までとってくれるとは思わなかった

 発表会には、東京・池袋の「大谷クリニック」院長の大谷義夫氏が登壇し、呼吸器科医師の立場からPM0.1対策を訴えた。「大陸から飛来するPM 2.5が話題だが、東京のPM 2.5平均濃度は自動車の排出ガス規制などにより下がり続けている。問題はPM 0.1。小さければ小さいほど肺の奥にまで入り込む。ドアの開け閉めだけでなく、窓などからも容易に家の中に進入する」。

池袋「大谷クリニック」院長の大谷義夫氏

微粒子のサイズとリスク

 大谷氏によると、例えばタバコの煙などはPM 0.1サイズで、肺が炎症を起こすCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの原因になるという。また、同じくPM 0.1サイズのインフルエンザや、PM 0.5サイズの真菌(カビ)が原因のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症などの例を挙げ、室内環境改善の必要性を訴えた。「患者さんから『空気清浄機は有効か』『良いものはないか』とよく聞かれる。これまでPM 0.1サイズまでとってくれる空気清浄機はなかったが、(Dyson Pure Hot+Coolが)タバコの煙までとってくれるとは思わなかった」(同氏)。

製品名 Dyson Pure Hot+Cool
カラー ホワイト/シルバー アイアン/ブルー
サイズ 632(高さ)×222(幅)×222(奥行き)ミリ
重量 3.79キログラム
消費電力 扇風機:5.4〜26ワット、暖房時:1200ワット
暖房能力適用床面積 コンクリート住宅8畳/4.5畳、木造住宅6畳/3畳 ※50ミリ断熱材あり/なしの目安
空気清浄能力適用床面積 8畳(30分)、23畳(60分)
フィルター交換目安 約1年(1日12時間使用時)
価格(店頭参考価格) オープン(6万8800円)
発売日 11月5日

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