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» 2016年08月29日 20時54分 公開

滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」:壁や家具にはかかりません! 床ふきロボット「ブラーバ ジェット240」の地味だけどスゴイ技術 (3/3)

[滝田勝紀,ITmedia]
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壁や家具にはかからない、正確に水を噴射する技術

――水を噴射する目的は、洗浄力のアップが一番の目的ですよね

セルダ氏:そうですね。実はこのノズルも特許技術でして、ノズル自体はBMWのワイパー部やライト部のウォッシャーノズルを設計した会社と共同で設計しました。

製品発表会でジェットスプレーの効果を説明するセルダ氏

――それはなぜですか?

セルダ氏:とても正確に水の噴射量と噴射するエリアを調節できるノズルを探したからです。ノズルから噴射される水は、ブラーバ ジェットの前方に四角い形でまくようになっています。ただ、ムラがあったり、水の量が少なすぎたりすると洗浄力が落ちてしまいます。一方で水が多すぎたり、方向や噴射の強さを間違えると、壁や家具、そのほか水を掛けてはいけない場所に掛けてしまう危険性もあります。水を使うロボットだからこそ、このノズルには特に正確さが必要なのです。

――四角い形に水をまく、というのは本体の横幅に合わせているということですか?

セルダ氏:そうです。まったく同じ幅に水をまきます。その前にロボットは前方へ進み、そのエリアに水が掛かってはいけないもの(壁や家具など)が存在しないことを確認し、バックしてから、そのスペースにぴったり合うように水をまきます。例えばそこに物があったり、ラグマットが存在する場合は絶対に水を噴射することはありません。

水を噴射した瞬間

――壁や家具に水がかかることはない、ということですね

セルダ氏:その通りです。壁があるときは、一度壁まで進み、バックしてから水を正確にまきます。決して壁に水がかかることはありません。家具も同じです。一見とてもシンプルに見える水の噴射ですが、すごく考えられています。

――その正確に水を噴射するノズルというのは、どういう仕組みになっているのでしょうか?

セルダ氏:内側は四角ではなく、台形になっています。水が入ってきて、通り抜ける流れの間に、無数の柱のようにピンが立っていて、水の流れる量を微妙に調整することで、必要なだけの水がピッタリと出てくる仕組みです。

――本体が細かく振動することも洗浄力を発揮するのに重要な要素の1つですが、振動の仕方はどういう感じなのでしょうか?

セルダ氏:左右に細かく振動します。小さなモーターが内蔵されていて、モーターが細かく静かに振動させるのです。携帯電話のバイブレーションに近いイメージですね。

――どんな汚れにもっとも強い効力があるのでしょうか?

セルダ氏:油汚れは得意ですね。通常、油が多いほど汚れは落ちにくくなりますが、ブラーバ ジェット240ならかなり落とせます。例えば1週間放っておいて、こびりついてしまった汚れでもしっかりと落とせますよ。

――特定の場所を掃除するスポットクリーニングモードも付いていますか?

セルダ氏:あります。スポットクリーニングモードはもっとも汚れが取れるモードで、およそ1×0.5mというエリアを何度もきれいにします。これがもっとも洗浄力の高いモードです。

――ブラーバは静音性が高いことも満足度を押し上げる要因だと思われますが、振動することで駆動音は大きくなってしまったのではないですか?

セルダ氏:いえ。振動はしますが、音はほとんどしません。床に置いて使っていると音はほとんど分かりません。相当耳を近づけないと聞こえません。夜中に使っても大丈夫だと思います。

――バッテリーを交換式にした意図は?

セルダ氏:複数のバッテリーを持つことができ、しかも交換して掃除をし続けることができます。スピーディーに掃除できます。

――おそらくルンバとブラーバを同じフロアで使い分けるユーザーも多くいると思います。ブラーバでもルンバの「バーチャルウォール」が使えたら便利だと思うのですが、いかがでしょう。

セルダ氏:残念ながらそれはできません。その代わり、ブラーバ ジェット240は“バーチャルなバーチャルウォール”を備えています。

――“バーチャル・バーチャルウォール”ですか?

セルダ氏:正確には、スタートさせる位置より後ろのエリアには行かない「バーチャルウォールモード」です。「CLEAN」ボタンを長押しすると起動し、天面が左右に線を描くように光ります。このラインより後方には行かない、という意味です。これもマッピングナビゲーションだからこそ実現できた機能なのです。

バーチャルな「バーチャルウォールモード」起動中

 一見、コンパクトでかわいい「ブラーバ ジェット240」だが、その中には効果的にふき掃除を行うための技術がたくさん詰め込まれていた。しかも壁や家具に水をかけないように作られたノズルや「バーチャルウォールモード」など、使い勝手を左右する部分にも手抜かりはない。最新の床ふきロボット掃除機の実力がお分かりいただけただろうか。

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