「N900i」の悩ましさ「N900i」レビュー(1)

» 2004年02月25日 02時00分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 大人気の「N900i」を、筆者は某量販店の最後の1台を購入した(2月22日の記事参照)。発売日の10時半のことだ。色はオレンジ。イメージカラーである。

 それから数日間、メイン端末としてN900iを使ってみた。900iシリーズの中でも期待の1台……としては、大満足の部分だけでなく、残念な部分もある。

3色のカラーバリエーション。イメージカラーはオレンジだが、締まって見えるブラック、“刀をイメージした”というアークラインのイメージにぴったりなシルバーも魅力的

コンパクトなボディとドコモらしからぬデザイン

 N900iの最大の特徴は、やはりコンパクトなボディだ。重さ115グラムは、900iシリーズ中最軽量(1月27日の記事参照)。前機種「N2102V」から比べると5グラムほど増えてはいるが、「見た目より軽い」と感じるのは、デザインのうまさだろう。

 幅48ミリは、「手が小さい女性にも使いやすいように」(NEC)という配慮のもと、こだわった部分だ(1月27日の記事参照)。もちろんシリーズ中、最も細い。

側面の様子を「N505i」と重ねて確認。右側面にはminiSDスロットとイヤホンマイク端子。左側面にはNEC製端末伝統のサイドボタンが配置されている。その右にあるのは電源端子

 実際に握ってみると、前後の重量バランスもよく、しっかりホールドでき、女性でも違和感なく使えそうだ。ダイヤルボタン──特に十字キー周りはスペースに余裕のあるつくりになっているので、誤操作も少なく安心して利用できる。

 ただし各部のレイアウトが万全かというと、そうでもない。[1]〜[0]のダイヤルボタンは、「N505i」などに比べてサイズが小さくなった。クリック感はあるものの、ボタン部がへこんだ感じで、タッチは今ひとつ。筆者は「N2102V」のユーザーでもあるが、ボタンは前機種のほうが押しやすい感じを受けた。

左からN900i、N505i、N2102V、そしてもう一度N900i。十字キーは大きく押しやすくなっているが、ダイヤルボタンは小さめ。マウスのようにカーソルを動かせるニューロポインターが決定ボタンを兼ねている。中央の黒い部分がゴムから硬い樹脂に変わり、感度もかなりよくなった。利用に慣れが必要なニューロポインターだが、次第に操作性は良くなってきている印象。ただし決定ボタンを押し込もうとして、誤ってポインターが動いてしまうことも多い

 背面ディスプレイは、デザインを優先した小さなSTN型。時計以外を表示させるのはかなりムリがあり、一昔前のモノクロ背面液晶だと思って使ったほうがいい。ただし、視認性はよい。

 2.2インチのメインディスプレイは微妙なクオリティ。特に良くも悪くもないが、ゲームをたっぷり楽しめる900iシリーズとしては、少々小さめ。特に、「N505i」「N505iS」などが2.4インチ液晶を搭載していただけに、小さく見えてしまう。

 これまでの“NEC製端末”の印象をうち破る、「アークライン」という曲線に沿ったデザインは、多くの人が斬新かつ上品だと感じるのではないか。

 iモード企画部長の夏野剛氏が「写真で見るより、ドコモの携帯は手にとって見てください」と言うように、塗装の質感も良く、所有する満足感を満たしてくれる。

ハンズフリーが使いにくいテレビ電話

 と、デザインと外観はかなり納得のN900iだが、テレビ電話の使い勝手には納得と失望が一点ずつ。

 N2102Vからテレビ電話を使ってきたが、使い勝手で非常に気になっていたのがイヤホンマイクを使うか、ハンズフリーモードで利用するかだ。正直なところ、「テレビ電話着信があったら鞄からイヤホンマイクを出して装着して……」は論外。実利用では、ハンズフリーモードを使うことになる。

 N2102Vや、そのほかの2102Vシリーズでは発話ボタンの長押しが、ハンズフリーモードの移行に設定されており、はっきりいって使いにくかった。マニュアルを読まないと、操作法が分かりにくいのも問題だ。

 N900iはテレビ電話発着信画面で、左ソフトキーでハンズフリーのオン/オフができるようになった。簡単にハンズフリーが使えるのは大きな改善点だ(ちなみにF900iでもF2102Vの“長押し”から短押しに改善された)。

テレビ電話中(通常通話中も)は左ソフトキーでハンズフリーに切り替えられる。ただしテレビ電話の発信は、ボディ左下の専用ボタンを押すことに。前機種のN2102Vは左ソフトキーがテレビ電話発信用になっていた(写真右)

 しかし、ハンズフリーモードのクオリティは高いとは言えない。N900iのスピーカーは液晶背面部に配されており、静かな場所でも相手の声を聞き取るのは難しい。かといってボリュームを上げると、音が割れてしまってやはり聞き取れない。F900iなど、スピーカーの音が正面にも流れる端末とは対照的だ。

 ハンズフリーはノイズキャンセルやエコーキャンセルの実装にかなりメーカーのノウハウが生きるという。テレビ電話登場まではハンズフリーは日陰ものの機能であり、こだわっているメーカーも少なかった。これから各社の腕の見せ所のひとつとなるだろう。

 ※ちなみにINFOBARの開発メーカーとして密かに有名な三洋マルチメディア鳥取は、以前からハンズフリーに取り組んできたメーカーのひとつ。INFOBARのハンズフリーは、密かに筆者のお気に入り機能だ

 左ソフトキーがハンズフリーに変わったのに伴ってか、テレビ電話をかけるのためのボタンも変わった。左下に新しく[テレビ電話]ボタンが設けられ、テレビ電話をかけるには、これを押す必要がある。左下とけっこう押しにくい場所だ。

 専用ボタンを設けたのは、分かりやすいのか分かりにくいのか。少なくとも、初めてFOMAを触るユーザーは説明なしではテレビ電話をかけられなかった。

 電話は発話ボタンを押せばかけられるが、テレビ電話は機種によってバラバラだ。前機種「N2102V」では左上のソフトキー、「F900i」では左下のソフトキー、「P900i」は専用ボタン、「SH900i」は左上のソフトキーが、テレビ電話をかけるためのボタン。どれが分かりやすいかはともかく、少なくとも業界全体で操作を統一することがテレビ電話普及のためには必要だろう。

 次回は、新機能の目玉「デコメール」をチェックしてみる。

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