薄いけど頑丈〜「A5405SA」、中身の秘密(1/2 ページ)

» 2004年04月20日 16時13分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 「A5405SA」は、薄くて軽く丈夫なのも特徴のひとつ。20ミリという薄さはauの折りたたみ端末としては「A5503SA」とともに最薄で、103グラムの重さは「A1401K」の92グラムに次いで軽い。

 「閉じた状態での厚みが20ミリなので、開いた状態ではさらに薄くなる。先端部に向かうほど薄くなっているので、薄さと剛性を確保するのが課題だった」と三洋マルチメディア鳥取のモバイル通信技術部 主任技術員の上山知毅氏。

 厚さ11ミリの「INFOBAR」では、ボディ側面にマグネシウム合金を使っていたが、A5405SAでは異なるアプローチで剛性を保っている。

 1つは液晶を支える部分の構造。液晶はデリケートな素材のため、割れたり動いたりしないよう四角い枠型のホルダーで支えられているが、その部品にステンレスを採用した。「A5405SAは(開いた状態では)INFOBARよりさらに薄いので、マグネシウムでもダメ。剛性と強度のある金属というところで、ステンレスに注目した」。ステンレスは固くて加工が難しいが、絞り加工をメーカーと共同で開発し、実装したという。

 もう1つはプリント基板部分。端末が薄いと中の基板が変形しやすく、外からの力でハンダで付いている部品がはがれてしまう。基板自身にも剛性を持たせないと、ボディを覆う樹脂だけでは耐えられないため「基板部分に特殊な金属の背骨を入れている」(上山氏)。

 端末がコンパクトなため、基板上の部品は高密度実装されている。ただでさえ隙間がないところに“金属の背骨”を入れるスペースを作るのは困難を極めたと上山氏。「部品の間を縫って回路的によけながら入れ込んでいった」。

この写真では隠れて見えないが、ダイヤルキーの下に配置された基板には背骨のように金属を通し、外からの圧力に耐えるよう設計されている

コンセプトモデルをいかにイメージ通りに製品化するか

 A5405SAのデザインは、プロダクトデザイナーの岩崎一郎氏と三洋マルチメディア鳥取のデザイナーのコラボレーションによるもの。岩崎氏が描いたコンセプトを、いかにイメージそのままに量産できる形にもっていくかも、苦労が多かった部分だという。

 当初のコンセプトモデル通りにはできなかった部分もあったと、技術企画部プロダクトデザイン課の佐古宏文課長。例えば岩崎氏の出した最初の案では、カメラは背面の先端部、液晶はヒンジ部にレイアウトされていた。しかし2点とも商品化にあたっては、中の部品の位置や厚さの関係上、変更されている。

 「部品の中でも一番厚みがあるカメラモジュールが、端末の一番薄い部分に載ることになるので、これは実現できなかった。ただ、カメラを別の場所に移すにあたっては端末のシャープな流れを損なわないよう、慎重にレイアウトした」(佐古氏)

製品化に当たっては、カメラモジュールはヒンジ側の中央に、液晶はカメラの下にレイアウトされた

 デザイナーの岩崎氏と3Dの図面を見ながら、実装上必要な厚さや幅とデザインの折り合いをつけ、設計の部屋に入り浸って中の部品のレイアウトを調整。「“コンマ1ミリ”単位でラインを調整しながら、先端部が薄く絞られたラウンドボディを作り込んでいった」。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月13日 更新
  1. 「iPhone Duo」登場の裏で「iPhone 18」が発表されなかった理由 変わりゆくラインアップ戦略を読み解く (2026年09月12日)
  2. Galaxy Z Fold8の「折り目ゼロ」という誤解で物議 実機で検証しつつ、サムスンに公式見解を聞いた (2026年09月12日)
  3. 「iPhone Duo」と「Galaxy Z Fold8」のスペックを比較 薄さと機能性、約9万5000円の価格差をどう評価する? (2026年09月11日)
  4. NHK受信料未収で宿泊事業者に1140万円請求 「どうしてもご理解いただけなかったため」民事訴訟提起 (2026年09月10日)
  5. 2026年度末の「Suicaエリア統合」 気になることをJR東日本に聞いてみた (2026年09月11日)
  6. 「折り目があります」――Apple初の「iPhone Duo」実機画像がSNSで物議、高価ゆえにガッカリか (2026年09月10日)
  7. 「iPhone 18 Pro」は何が進化した? 「iPhone 17/17 Pro」とスペックを比較 全て20万円超えの価格が悩ましい (2026年09月10日)
  8. 折りたたみ「iPhone Duo」を触って実感した“Appleらしさ” 現地からファーストインプレッション (2026年09月11日)
  9. iPhone 17 Proの背面ガラスがバキバキに 約2.8万円の修理代、「クレカの付帯保険」に助けられた話 (2026年09月11日)
  10. ドコモが「iPhone 18 Pro/18 Pro Max」の価格を発表 MNPで2年9万9990円から、2TBは一括50万円超え (2026年09月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー