キャリアや端末メーカーがしのぎを削る携帯電話戦争──。その最前線に立つのが、店頭でユーザーにサービスを提供する“冠ショップ”のスタッフだ。中でも、2003年度に純増数でドコモを上回ったau(4月7日の記事参照)の販売の現場は、どのようなものなのか。
5月24日、都内で行われたauショップ店員による接客・商談コンテスト「au CS AWARDS 2004」で、auの強さの秘密をかいま見た。
初開催となるこのコンテストは、全国2000店舗──1万人のauショップ店員の中から選出されたショップ代表が、接客のロールプレイを行い、商品知識や印象度など接客スキルを競うというもの。今回は東京大会ということで、東京・多摩地区の約140店から10名の代表が集まった。
「ドコモより感じがいいと言われる接客を心がけたい」と、出場者の一人、auショップ武蔵村山の平沢宏光さん。彼ら出場者がロールプレイで対応したお客様は、どのような人だったのだろうか。
ロールプレイとはいえ、どのような質問が飛び出すかは伝えられていない。制限時間は1人6分。そのなかで、どこまで商談をまとめられるか。
各出場者が、持ち前の笑顔と商品知識を披露して、来店者にauの魅力を伝えていく様子は、まさにプロ。応援に駆けつけた各ショップの店員の間からも、「非常に参考になった。心機一転して、接客の向上に努めたい」という声が聞かれた。
KDDIが、こうしたコンテストを開催するのは今回が初。その背景には、2年後の開始が予定されている番号ポータビリティ(MNP)がある(3月30日の記事参照)。電話番号を変えることなくキャリアを乗り換えられるMNPが始まれば、店頭スタッフの重要性はこれまで以上に高まる。
「MNPを迎える2年間、激しい戦いが待っている。1つの輪になって、“巨大なドコモを倒したい”という意識が必要。関東で、全国で、ドコモに勝てる日が来ると信じている」(au営業本部営業部の工藤芳昭部長)
グランプリに輝いたauショップ池袋東口店の土橋知行さんは、独特の表情と語りが持ち味。「土橋ワールド──世界に引き込まれた」と批評されたように、クレームを付けてきたお客様でも、知らず知らずに土橋さんのペースに引き込まれる。
「auは、1回入ったら絶対好きになる。他社をお使いのお客様も、ちょっとでも足を踏み込んでもらえれば」と土橋さん。特に用事がなくても、池袋東口店にぜひ立ち寄ってほしいそうだ。東京近郊の方は、土橋ワールドに触れてみてはいかが?
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