Nokia、最新のSeries 60では日本市場も視野に:NOKIA CONNECTION 2004

» 2004年06月16日 13時46分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 スマートフォン市場が順調に拡大している。今月初めには、調査会社のCanalysが第1四半期のスマートフォン市場は前年同期比115%で伸びたと発表している(6月2日の記事参照)。その成長市場で現在トップのOSは、Nokiaが出資参加するSymbianの「Symbian OS」。だが、Microsoftが猛攻撃をかけており、昨年末にはGartnerのアナリストが、Symbianが最終的にMicrosoftに負ける可能性もあると警告を出している。

 Symbianはもともとは、携帯端末用のOS開発を目的に携帯電話ベンダー数社が集まって設立した会社だ。だがNokiaの株式保有率や、最大シェアを持つSymbianのUIがNokiaのSeries 60であることなどから、事実上はNokia対Microsoftの戦いと見ることもできる。敵はMicrosoftだけではない。LinuxもMotorolaなどが採用しはじめるなど、無視できなくなってきた。

 Nokiaのスマートフォン戦略の中核を担うSeries 60やSymbianとの関係、今後の戦略について、Nokiaの副社長、アンティ・バサラ氏に話を聞いた。

現在のNokiaとSymbianの関係は、株式保有率から見ても「良いバランス」とバサラ氏。手にしているのは「Nokia 7610」)

――NokiaにとってSymbianはどのような位置づけですか?

バサラ氏 Nokiaの役割りは、Symbianが成功するよう手助けすること、Symbianの製品を向上させることです。

 Symbianは現在、スマートフォン市場で最大のシェアを持っています。NokiaだけでSeries 60ベースの端末を1000万台以上販売しました。2番手のOSに大きな差をつけていますし、さらに良い徴候は、NTTドコモもSymbianを採用しはじめたことです。富士通製のFOMA端末「F900iT」は現在、最も高度なスマートフォンです。

 このようなことから、Symbianが(欧州に限らず)世界的に存在感を強めてきたと実感しています。Nokiaは今後も、オープン性、独立性を保ちながらSymbianを助ける計画です。

――NokiaのSeries 60が強くなってきたことから、スマートフォンではNokia対Microsoftという人もいます。Series 60の強みは何ですか?

バサラ氏 Series 60とWindows Mobileとは、3つの大きな違いがあります。まず、Series 60はOMA(Open Mobile Alliance)ベースでオープンな標準、プロトコルを使っており、Microsoftはプロプライエタリな技術をベースとしています。

 2点目として、Series 60はライセンス提供しており、ソースコードを提供します。つまり改変が可能で、ライセンス取得者は自分たちの好きなように機能を取り入れられます。同時に重要な部分は相互運用性を残しています。一方、Microsoftのライセンスでは改変は不可能です。

 3点目は、Series 60はオペレータにも多くのメリットをもたらすプラットフォームです。Series 60は標準ベースで相互運用性と柔軟性を備えています。オペレータは、開発コストをかけることなく、音楽再生ソフトなど自分たちが使いたいを選択し差別化できます。しかも、市場投入までの時間も削減できます。Microsoftの場合はこのような柔軟性はなく、ロックインされてしまいます。実際に、オペレータは顧客に提供する機能を自分たちで決めたいと思っています。NTTドコモは技術面で明確な要求を持つオペレータですが、SymbianとLinuxは採用していますが、Microsoftは採用していません(2003年12月4日の記事参照)。

――Linuxはアジア市場で10%を上回るシェアを持っています。Linuxをどう見ていますか?

バサラ氏 PCやサーバではLinuxは主要なOSとなってきました。Linux採用している携帯端末も登場していますが、携帯電話ではまだ早期段階にあると思います。4、5年前のSymbianのような段階で、まだ成熟するまでに時間がかかると見ています。

――Series 60は今後、どの方向を目指すのでしょうか?

バサラ氏 エンタープライズとコンシューマの両方に対応していきます。現在全部で16機種が提供されており、ゲーム、コンシューマ、イメージング、ビジネスとさまざまな製品セグメントをカバーしています。たとえば、メガピクセルカメラを搭載した「Nokia 7610」はコンシューマ端末ですし、6月14日に発表した「Nokia 6260」は電子メール機能などを充実させたビジネスユーザー向けの端末です。Nokia以外でも、パナソニックの「X700」やSamsungからも面白い端末が出ており、さまざまな価値提案ができるプラットフォームといえます。

――日本市場をどう見ていますか?

バサラ氏 日本市場の特徴は、欧州での“ハイエンド”が日本では“ローエンド”になることです。また、オペレータも欧州市場とは異なります。日本は現在、世界最大のW-CDMA市場です。Series 60の最新バージョンでは、WCDMAや日本語など、日本市場参入に必要なものをサポートしました。今後、日本のオペレータや顧客にNokiaの技術を提供したいと思っています。

――PDAはどうなるのでしょう? SymbianのCEOが来日した際、「PDAは死んだ」と発言しています(6月3日の記事参照)。

バサラ氏 いま現在で、全PDAと(スマートフォンプラットフォームの1つである)Series 60の総出荷台数を比較すると、Series 60が上回っています。私も、PDAは今後衰退するという意見に同意します。



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