ユーザーに媚びるのではなく、常に先鋭的なユーザーに狙いを定めて市場を引っ張ってきたソニー・エリクソン。
「機能を割り切ったというつもりは全くない。(いらないものはいらないという)そういうコンセプトでやっている」。江里口氏のこの言葉からは、「こんな機能もあります」という過保護から脱却し、必要に応じて機能を選ぶ自立したユーザーに向けた端末であることが伝わってくる。
「“自分はこれだけしか使わない”ときちんと見分けられる人は、コダワリのある、自分のスタイルを持っている人。単純に機能を取るのではなく、逆に質感や世界観の部分は大事に“シンプルなライフスタイル”をサポートしていく」(江里口氏)
preminiの名称は、premier(プレミア)+mini(ミニ)から作られた。premierの部分を担うのが、アルミ合金を使ったボディを中心に、各所に散りばめられたコダワリのパーツとソフトウェアだ。
例えば、
「モノにこだわる人に持ってほしい。持つ喜びに浸ってほしい」──。単に小さいからではなく、シンプルだからでもなく、機械を、携帯を愛する人が積極的に選ぶ端末。それがpreminiの目指したところだ。
省電力モードに入ったときに表示される時計の画面(要設定)。preminiの基調カラーは白・黒・紫。白をメインに上下反転させた紫の時刻も表示される。上からのぞき込んだ場合でも時間が分かる工夫だ |
「車でいうとオープン2シーターのイメージ」──。preminiを持つライフスタイルを、津田氏はこう話す。
従来、シンプルな端末は、車で例えるなら軽自動車のイメージが強かった。機能を省いて、ついでにコストも抑えました──。安かろう悪かろうの印象が強かったのだ。
豪華絢爛の装備を持ったラグジュアリーカーや重装備の4駆がFOMAなどのハイエンド端末ならば、スタイリッシュな2人乗りのオープンカーがpremini。
機能満載のセダンを持っている人が2台目としてオープンカーを買うように、FOMA 900iを持っているユーザーが2台目としてpreminiを買うのももちろんアリだ。ドコモは1つの契約でFOMAとムーバの両方を使えるデュアルネットワークサービスを月額315円で提供している(2003年9月24日の記事参照)。“2台目”としてpreminiを使うことだって可能だ。
もちろん、機能てんこ盛りを潔しとせず「(機能の良否を)見分けられる。スタイルを持っている。こだわりをもっている」(商品企画課の江里口真朗係長)ユーザーが、1台目として買うのもいい。
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