preminiは“2台目のオープンカー”(2/2 ページ)

» 2004年07月01日 03時21分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
前のページへ 1|2       

独特の世界観を作り上げる

 ユーザーに媚びるのではなく、常に先鋭的なユーザーに狙いを定めて市場を引っ張ってきたソニー・エリクソン。

 「機能を割り切ったというつもりは全くない。(いらないものはいらないという)そういうコンセプトでやっている」。江里口氏のこの言葉からは、「こんな機能もあります」という過保護から脱却し、必要に応じて機能を選ぶ自立したユーザーに向けた端末であることが伝わってくる。

 「“自分はこれだけしか使わない”ときちんと見分けられる人は、コダワリのある、自分のスタイルを持っている人。単純に機能を取るのではなく、逆に質感や世界観の部分は大事に“シンプルなライフスタイル”をサポートしていく」(江里口氏)

 preminiの名称は、premier(プレミア)+mini(ミニ)から作られた。premierの部分を担うのが、アルミ合金を使ったボディを中心に、各所に散りばめられたコダワリのパーツとソフトウェアだ。

 例えば、

  • 充電台はない。ボディの美しさを保つため、金色の接触端子が出るのを避けた。充電はACアダプタから後端のシリアル端子に直結して行う。
  • 効果音へのコダワリ。側面に設けれられたキーロックスイッチでロックを解除すると、「車のエンジンがかかる音」「ライターのジッポを開ける音」などが流れる。
  • 配色。ボディのアルミの質感とのトータルコーディネートのため、バックが黒、文字が白のメニューを採用。通常とは逆の配色を使った。
  • オリジナルの箱。縦長のケースはpreminiオリジナル。取扱説明書も縦長の独特の形状だ。「買って持って帰るときのワクワク感」を大事にした。
  • スピーカーは16Φの大口径ダイナミックスピーカー。着メロは「世界を変えるしかないだろう」ということでクラプトンの「Chenge The World」を収録。
  • ブルーのキーイルミネーション。高価な青色LEDをふんだんに搭載。「持つ喜び。世界観に徹底的にこだわった」。

 「モノにこだわる人に持ってほしい。持つ喜びに浸ってほしい」──。単に小さいからではなく、シンプルだからでもなく、機械を、携帯を愛する人が積極的に選ぶ端末。それがpreminiの目指したところだ。

「車でいうと、オープン2シーター」

省電力モードに入ったときに表示される時計の画面(要設定)。preminiの基調カラーは白・黒・紫。白をメインに上下反転させた紫の時刻も表示される。上からのぞき込んだ場合でも時間が分かる工夫だ

 「車でいうとオープン2シーターのイメージ」──。preminiを持つライフスタイルを、津田氏はこう話す。

 従来、シンプルな端末は、車で例えるなら軽自動車のイメージが強かった。機能を省いて、ついでにコストも抑えました──。安かろう悪かろうの印象が強かったのだ。

 豪華絢爛の装備を持ったラグジュアリーカーや重装備の4駆がFOMAなどのハイエンド端末ならば、スタイリッシュな2人乗りのオープンカーがpremini。

 機能満載のセダンを持っている人が2台目としてオープンカーを買うように、FOMA 900iを持っているユーザーが2台目としてpreminiを買うのももちろんアリだ。ドコモは1つの契約でFOMAとムーバの両方を使えるデュアルネットワークサービスを月額315円で提供している(2003年9月24日の記事参照)。“2台目”としてpreminiを使うことだって可能だ。

 もちろん、機能てんこ盛りを潔しとせず「(機能の良否を)見分けられる。スタイルを持っている。こだわりをもっている」(商品企画課の江里口真朗係長)ユーザーが、1台目として買うのもいい。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年