操作性にあと一歩〜「D900i」ケータイカメラ画質研究ラボ(3/3 ページ)

» 2004年07月08日 16時48分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 蛍光灯ならではの色の補正はしっかりなされており、好感が持てる鮮やかな色で撮れている。それはいい。ただ、赤いところや影になっているところをよく見るとかなりノイズが浮いており、また、ディテールももやっとしていて解像感はあまりない。一見きれいなので、あまり目をこらしたりしなければOKという感じだ。

 次は白熱灯下での写真。こちらも白熱灯の赤かぶりはきれいに補正されていて、白いものがきちんと白く写っている。暗部のノイズとエッジがシャキッとしてない点を除けば色は滑らかで非常にいい。

 ではロウソクのみで撮影してみよう。

左から「通常モード」「夜景モード」、下は「通常+ライト」

 暗くてもがんばって増感して明るく撮ろうというけなげさがあるのはいいが、その分盛大にノイズが浮いてしまった。ここまで無理しなくてもいいのに……というくらいだ。

 夜景モードにすると増感を抑えてスローシャッターを生かすのか、ノイズに関してはかなり抑制されている。ここまで明るく撮ろうとしなければもっと夜景っぽいいい雰囲気になっていただろう。夜景時は露出アンダー目くらいがちょうどいい。ライトを点灯した作例が一番暗いのは、ライトが暗いというより、ライトを点灯するとそれに頼って増感をしなくなるからだと思う。それを考えると、ライトが有効なのはさほど暗くなく被写体が近距離のときになりそうだ。

 最後はマクロ。

 マクロ時も写りはきれいで色もいい感じに出ているが、やはりディテールの描写力では今ひとつ。割り切って、SXGAモードで使うほうがいいかもしれない。

動画は独自の形式だがMP4準拠か?

 D900iといえば動画機能も忘れてはならない。FOMA標準である3GP形式に加えて、フレームレートを秒24コマに上げた「超なめらか」と、フレームレートは秒15コマのままだが320×240ピクセルに解像度を上げた「大画面」の2つのモードが追加されている。被写体に応じて使い分けたい。

 解せないのは「超なめらか」と「大画面」時は拡張子が「AMV」という独自ファイル形式になることだ。なぜ動画フォーマットが標準化されて統一されようという流れのこの時代にそういうことをするのか理解に苦しむ。

 ただ、中身は普通のMPEG-4のようで、試しに拡張子をMPEG4の標準ファイル形式である「MP4」に変えてみたら、あっさりとQuickTime 6.5で再生できた。もちろん何の保証もしないし不具合があるかもしれないが、専用のソフトをダウンロードしなくてもいいというメリットがあるので、試してみる価値はあるだろう。

左から「AMVの拡張子を変えたもの。超なめらかモード」「AMVの拡張子を変えたもの。大画面モード」、下は「ファインモード。通常の3GP形式」。クリックするとオリジナル動画が再生されます。再生にはQuick Time Playerが必要です

 つまるところ、D900iはD505iS/D506iのFOMA版である。しかし動画機能の強化を除けば、D506iに比べて画質面や機能・操作性において上積みがほとんど感じられなかった──というのが正直な感想だ。カメラ部分が多機能になればいいというわけではないが、D506iに比べて横撮り時の操作性が落ちているのは残念。せめて明るさ調整とライトのオン/オフくらいは閉じた状態でもしたかった。

 動画に関しては、やはりAMVという独自形式を採用したのが謎である。

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