駐禁取締強化で活気づく「満車・空車情報」コンテンツ:モバイルクロスオーバー(2/2 ページ)

» 2004年07月15日 11時20分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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 これまでならばiモードなど携帯電話コンテンツとして情報提供があればよかった。しかし改正道交法では、駐車禁止取り締まり強化の前に、運転中における携帯電話の利用規制強化が行われる。「満空情報をケータイで調べる」ことはできないので、カーナビで表示する形になる。

 既に2006年の改正道交法を見越した駐車場満車・空車情報サービスは始まっており、パイオニアのAir Naviや本田技研工業(ホンダ)のインターナビプレミアムクラブ対応純正カーナビが対応している。

 パイオニアのAir Naviは今年6月に行われたバージョンアップ「ステージアップ3」の目玉として、パーク24の駐車場満空情報に対応。タイムズ駐車場から情報がアップロードされるのと同じ5分間隔で満空情報を更新し、ドライバーに案内する。

 「Air Naviは、通信モジュールを内蔵した端末がサーバ側の情報にアクセスする『通信ナビ』ですので、(パーク24に限らず)駐車場満車空車情報が事業者から提供されれば端末を買い換えることなく対応できます。また料金や営業時間などの詳細情報が提供されており、もし変更があった場合もすぐに対応できるのがメリットです」(パイオニア モーバイルエンタテイメントカンパニー事業企画部アフターマーケット企画部企画3課の中根祐輔主事)

Air Naviでタイムズ駐車場のリアルタイム渋滞情報を調べたところ。混雑状況に応じて、青(空車あり)、オレンジ(混雑)、赤(満車)で色分けが行われる

 パイオニアはカーナビの主力商品として、DVD-ROMを使うエントリーモデルの「楽ナビ」やHDDを使う「サイバーナビ」も用意しているが、こちらは満車空車情報に未対応。リアルタイム性のある満空情報は通信サービスと連携しなければならず、「従来型カーナビでは対応が難しい」(中根主事)からだという。

 ホンダではテレマティクスサービス「インターナビプレミアムクラブ」のコンテンツとして、ホンダ純正カーナビ向けに駐車場の満車・空車情報サービスを行っている(2003年10月17日の記事参照)。こちらもパーク24のタイムズ駐車場が提供する満車・空車情報に対応。純正カーナビ付属のケーブルで携帯電話を接続し、通信経由でリアルタイムの満空情報をダウンロードする仕組みだ。

 さらに自動車メーカーならではの機能として、車種別の駐車場選別もできる。

 「エリシオンなどLサイズのミニバンにお乗りのお客様だと、すべての駐車場にクルマが止められるとは限りません。また立体駐車場はダメというお客様もいます。インターナビプレミアムクラブでは自車のサイズや好みにあった駐車場を、周辺20カ所まで表示させられるようになっています」(本田技研工業インターナビ推進室の今井武室長)

 大型のエリシオン、車高が低くて立体駐車場にも止められるオデッセイ、3座2列で車幅は広いが全長が短いエディクスなど、ホンダは魅力的かつユニークな形状のミニバンを多く販売している。そのためクルマのサイズに合わせられる駐車場選別機能は重宝するだろう。

公営駐車場の「P」ロゴ、パーク24の「Times」ロゴがそれぞれ混雑状況に応じて色分けされている。Timesロゴでは、青が空車あり、オレンジが混雑、赤が満車で表示される。公営駐車場のPは空車があれば青く表示されるが、情報なしの黒も多い

 一方、純正カーナビと携帯電話を接続しなければならないのは面倒だが、「2005年夏には純正カーナビのBluetooth対応を行います。ここでは通話だけでなく、(満車空車情報サービスなど)通信についてもBluetoothでやりとりできるようにします。今後の携帯電話キャリアのBluetooth対応に期待しています」(今井室長)。

 今のところ駐車場の満車・空車情報サービスは、先進的な駐車場事業者と、カーナビメーカー、自動車メーカーが将来を見据えて取り組んでいる段階だ。しかし改正道交法の施行によってニーズが急増し、ドライバーにとって重要なコンテンツになっていくのは間違いない。

神尾寿──通信・ITSジャーナリスト

 IT専門誌記者、大手携帯電話会社での嘱託コンサルタント業務を経て独立。通信およびITS分野のビジネスおよびニーズ分析を専門にする。IT専門誌、ビジネス誌から一般誌まで幅広く連載を持つ。IRI-コマース&テクノロジー社客員研究員。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術委員。

▼「運転中の携帯規制」のインパクト
改正道路交通法が成立し、運転中の携帯利用に有無を言わさず罰金がかかるようになる。それでも、車内で携帯を使いたい人はどうしたらいいのか。現時点で合法的に利用するならイヤホンマイクだが、理想的なのはBluetoothのヘッドセットだ。

▼携帯電話が財布になる日
料金代行徴収の拡大、非接触ICチップ、赤外線を使ったクレジットカード決済……。携帯電話を財布にしようとする試みは、大きくこの3つが進行中だ。それぞれ得手不得手があり、課題もそれぞれ異なる。現在の状況をまとめ、「携帯電話はどうやって財布になっていくのか」を考えていこう。

▼急接近する自動車とケータイ
携帯電話と自動車。一見すると異なる“業界”が互いに急接近している。両者のクロスオーバーがモバイル業界に与える影響は大きい。

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