Motorola端末はFOMA Ready――元半導体部門のフリースケール、UWBやMRAMもデモ

» 2004年09月03日 20時28分 公開
[中嶋嘉祐,ITmedia]

 Motorolaからスピンオフした半導体企業の日本法人、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは9月3日、米国本社のミシェル・メイヤーCEO(最高経営責任者)の来日に合わせ、都内で国内パートナー企業向けの戦略説明会を開いた。

 フリースケールの半導体が主に採用されているのは、自動車、ネットワーキング、ワイヤレスの3分野。メイヤーCEOは、「自動車向けの半導体市場ではシェアトップ。ネットワーキングの分野では、世界のインターネットトラフィックの70%以上が当社の通信プロセッサを経由している」と胸を張る。「米国半導体市場ではIntel、Texas Instruments(TI)に続く3番手だ」。

photo ミシェル・メイヤーCEO

 事前に開かれた記者会見では、ワイヤレス、特に携帯電話向け事業について質問が集中。他社との違いを聞かれたメイヤーCEOは、「ベースバンド、アプリケーションプロセッサ、トランシーバ、さらにソフトスタックをすべて統合して提供できるオンリープレイヤーだ」と強みを語っている。

 日本法人の高橋恒雄社長は戦略説明会で、自身のFOMA端末を使って、会場内のスタッフが持つ同社製チップ搭載の端末に電話してみせた。「Motorolaの携帯電話端末はすでにFOMAで動いている(関連記事参照)。すぐにFOMA端末を作りたい企業は、当社のパッケージを入れるだけでいい」。現段階では日本での採用例を挙げられないが、商談はいくつか進んでいると明かす。

 ほかにも低消費電力が特徴の高速無線通信技術「UWB」(Ultra Wide Band)や、次世代不揮発性メモリの「MRAM」(Magnetic RAM)を披露。UWBのデモでは転送速度110Mbpsのサンプルチップを使い、ノートPCからHDTV品質の映像2本をそれぞれ別のノートPCに送信、そこからテレビに映像を流す様子を見せている。配信本数を3本に増やすこともできるという。来年後半には、さらに高速な500M−1Gbpsのチップをサンプル出荷できるとしている(関連記事参照)

photo UWBは米国で規制当局の認可を受けたばかりの技術。日本での利用には当局の許可が必要だが、あいにく今回は間に合わず、有線でつないでの紹介となった。ノートPCと間にスペクトラムアナライザを挟み、受信感度(dBm)などを測定してみせている。
photo MRAMのウエハーを手に持つ高橋社長。4Mビット品を開発済みで、来年3月までに量産を開始するという。

スピンオフしても「以前とは変わらない」

 記者会見では、スピンオフの影響についても焦点になった。メイヤーCEOは、「Motorolaの一部門だった時でも、アームレングスで(一歩距離を置いて)仕事をしていた。内製品であっても、販売価格は市場価格と同じ程度。Motorolaは一貫して社内外から半導体を調達していたため、内製品の割合は40−60%にとどまっていた」とし、悪影響はないと説明する。

 社内システムもMotorolaはOracleを使っているが、事業部時代から採用しているのはSAP。また売り上げの75%はMotorola以外からのもので、オペレーションに問題ないとする。「フリースケールになっても、以前とは変わらない」(メイヤーCEO)。

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