高級ワインの品質をRFIDで保証〜アクセンチュア堀田氏RFIDのインパクトは?(2/2 ページ)

» 2004年09月06日 23時59分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]
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ワインの品質管理は難しい

 例えば、食品の鮮度管理で言えば、1つひとつのICタグを使って、その商品が本当に決められた温度を保って輸送されてきたかを把握することができます。この場合、ICタグだけではなく、温度センサーとも連携している必要があります。

 このように、幾つかの機能を組み合わせることによって、商品の品質を保証していく取り組みが考えられています。このあたりは、既に実際に行われているようです。

 例えば、ワインは、一度でも一定の温度を超えた環境に置かれると駄目になってしまうことが、国際貨物の世界では知られています。高級なワインであればあるほどリスクが高まります。飛行機はもちろん、船便の場合に、温度管理のルールが輸送中ずっと守られていたことを保証しなくては、ワインの価値を保つことができません。こうした場合でも、ICタグとセンサーを使えば、ワインを適切に管理できるわけです。

環境への対応も

 さらに、リサイクルなど、環境への対応という面でもRFID導入の効果が期待できます。車などは既に100%リサイクルが考えられており、環境へのインパクトをできるだけ小さくしようと努力がなされています。自動車はライフサイクルが長く、製造者から、最後の解体者に戻るまでだいたい10年かかる。その10年の間に、どの車のどの部品にどの素材が使われていたかといった情報を保持し続けなくてはなりません。

 その場合、バーコードでは、10年という期間の間に汚れて読めなくなってしまいます。また、刻印したとしても、傷が付いて認識しないかもしれない。その場合に、部品にICタグを貼付して管理する方法が考えられるわけです。

 ICタグを部品に埋め込んでおけば、何年経ったとしても、物理的には劣化することなく、その部品の材料や素材の情報を遡ることができます。これが、「ロングスパンのリサイクル」と言えます。

 一方、「ショートスパンのリサイクル」の必要性を考えた場合、今なら三菱自動車を思い浮かべます。例えば、自社の商品に欠陥部品が見つかり、それを回収しなくてはならなくなったとします。

 欠陥部品を回収するにあたり、RFIDシステムを使えば、一度のスキャンで複数の商品を読み取れるという特徴を生かして、「どの(欠陥)部品がどの店舗にどれだけあるのか」といった情報をすぐに取得することができます。そのため、欠陥品の回収だけでなく、自動車部品のリサイクル全体の仕組みを、効果的なものにすることができるのです。

こちらはFUJI ROCK FESTIVAL'04で使われたICタグ



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