「航空機の中では携帯の電源をお切りください」−−飛行機に乗ると流れる、おなじみのアナウンス。今年1月には改正航空法が施行され、現在、日本国籍の航空機内で携帯電話を使用すると、50万円以下の罰金が科せられる(1月15日の記事参照)。
とはいえ、写真を撮る、ゲームをする、音楽を聴くなど、通話以外の機能を使いたいときもある。周囲に誤解されない形で、携帯を使うことはできないだろうか?
そもそもなぜ機内で携帯電話を使ってはいけないのか。日本航空の安全情報を見ると、電波を発射する電子機器には、その種類によって使用制限がかけられている。
携帯電話やPHS、ノートPC、トランシーバー、携帯情報端末、無線操縦玩具、ヘッドホン、イヤホン、マイクのうち、「電波を発信するものは常時使用禁止」「電波を発信しないものは離着陸時使用禁止」とある。
携帯電話は電源を入れると、現在位置を基地局に知らせるために電波を発する。「電波を発信するもの」に相当するため“常時使用禁止”対象となっているのだ。逆にノートPCなどは、電源が入っていてもBluetoothなどの電波を出さないようにしてあれば、離着陸時以外は使用できることになる。
そこで思い浮かぶのが「電波を出さない状態にしてあれば、携帯電話も離着陸時以外は機内で使ってかまわないのではないか」ということだ。最近の携帯電話には、“端末の電源は入っているが、電波を発信していないモード”を持つものも多い。
米国では、家電団体であるCEA(The Consumer Electronics Association)が9月21日付けで、無線機能のオン/オフの切り替えに関する推奨案"Recommended Practice ― Status Indicator for and Control of Transmitters in Portable Electronic Devices"を策定している。
携帯電話やPDA、ノートPCといったポータブルな電子機器に表示するために、電波を発信しているかどうかの状態を示す統一アイコンを作ろうという試みだ。今後、米国で製造されるワイヤレス関連製品は、このアイコンを表示するものが増えそうだ。
このガイドラインの策定にあたっては、家電メーカーやソフトウェア会社のほか、ノースウエスト航空やアメリカンエアラインといった米国の航空会社も参加している。航空機内など電波を発する電子機器の使用が禁止されている場所でも、電波を発しているかどうかが、アイコンで第三者にひと目で分かれば、安心して電子機器を使えるようになるだろうという狙いだ。
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