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ここまでの5回で、モバイルカメラを利用したトレーディングカードゲームが完成した(11月15日の記事参照)。これでゲームを楽しむことができるが、コンピュータとの対戦ばかりでは飽きがきてしまう。次に求められるのはネットワークを介したほかのゲーマーとの対戦であろう。
そこで今回から2回に分けて、ネットワーク対戦iアプリには不可欠なサーバサイドの構築を解説していく。この2回を通して、スタンドアロン環境のカードゲームを、パケット定額時代ならではの、通信を活用した対戦型のアプリに変えていこう。
実際にサーバサイドの環境を構築する前に、まず何をすべきかを整理しておこう。ネットワーク対戦型アプリを実現するために、サーバ側で行う処理は2つある。1つは対戦するユーザー同士を出会わせるための処理、もう1つは対戦データの受け渡し処理だ。加えて、対戦データを受け渡すさいに、対戦者同士を識別するためのIDも、あらかじめサーバに渡しておく必要がある。
今回はまず、サーバ周りの環境の構築と、データベースに格納するプログラムの設計・実装を行い、ダウンロード時にこのIDを渡す処理を解説していく。
まずは、環境を決定しよう。サーバサイドの環境として、今回は次のソフトウェアを使用する。
Webサーバ:Apache 1.3.33+PHP 4.3.9
DB:MySQL 4.0.22
OS:Windows XP SP2
Webサーバに関しては、Tomcatを使うことも可能である。Tomcatは、ServletやJSPを処理するためのWebサーバであり、iアプリ開発ではなじみ深いJavaで開発ができるメリットがある。しかし、現在Tomcatの利用が可能なホスティングサービスは、専用サーバに限られていることが多く、一般のiアプリクリエイターが多く利用するであろう共用レンタルサーバでは、インストールされていないことが多い。
一方で、Apache+PHPという組み合わせは、汎用のレンタルサーバでは最もポピュラーな組み合わせであり、比較的利用しやすい。またPHPというスクリプト言語は、型付けが弱く、かつ柔軟な実装が可能で、比較的習得しやすく、Javaしか書いたことがないという読者でも、取り組みやすい。
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