ネットゲーム大国、韓国の携帯ゲームの向かう先は韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2004年11月29日 19時06分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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 「3Dゲームが流行するという確信のもと、『PH-S3500』を開発した」。SK Telecomのゲームフォンとして名高いPH-S3500開発者、キム・ヒョンギ氏は語る。今回のKAMEXへの展示はなかったが、ゲーマーの間では話題の機種だ。高品質ゲームのほか、現在流行中のMP3やカメラ機能も備えているとあって、約1カ月前の販売開始以来現在まで、約1万2000台を販売するなど幸先のいいスタートを切った。

Photo 携帯電話というより、携帯ゲーム機のようなPH-S3500。しかしこの形が、ゲームをプレイする際のボタンの使い心地の良さにつながっている。画面が縦長ではなく横長なのも面白い

 PH-S3500がほかと違う点は、「H/W 3Dチップ」という、ゲーム専用チップを韓国で初めて搭載したこと。PH-S3500では処理の多い部分をハードウェア3Dチップが行うため、キャラクターの動きがスムーズでアクションはすばやい。実際にプレイしてみたところ、キャラクターや風景が動く際に滞りがなく、スムーズかつ機敏に動く。サラウンドスピーカによるサウンドも、迫力を増している。

 端末内にはシューティング、ボード、アクション、レーシングの、4つのゲームがあらかじめ入っているほか、コンテンツサービスNateやJuneJuneからダウンロードしたゲームも楽しめる。現在は対戦はできず単独で遊ぶだけとなっているが、来年上半期は、これにBluetoothを搭載したモデルを発売予定。その際にはゲーム対戦はもちろん、無線のヘッドセットをつけてMP3を楽しむこともできるようになるという。


 2003年の韓国のモバイルゲーム市場規模は約1000億ウォン(約100億円)。予想をはるかに上回る市場を確立しており、アイテムなどの購入用プリペイドカードがあるほどだ。

 その中でも、3DゲームはW-CDMA時代のキラーコンテンツとして大きな注目を浴びている。「韓国の携帯電話の競争は激しく、成長も速い。来年には携帯ゲーム機程度の水準になるのでは」と、前述のGravity担当者が話す。同社も、来年のリリースに向け3Dゲームを鋭意開発中とのことだった。

Photo インターネットなどで個人情報を入力するのに抵抗がある人のため、プリペイドカードも提供されている。裏面に印刷されているカード番号を入力すれば、決済が完了する。PC房(ネットカフェ)や文具店、コンビニなどで買うことができる
Photo Gravity以外のブースではユニークな展示が。写真はゲーム機とつなぐと携帯電話がコントローラとなる「Motion-G」。携帯電話を傾けてキャラを操作できる。このほか携帯電話単独で使うタイプもある。例えば携帯をボールのようにして投げるアクションをすると、携帯ゲームのキャラも球を投げる。腕振りの力加減によって球が届く位置も決まるため、けっこう調整が難しい


佐々木朋美

プログラマを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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