第1回 大画面+ATOK、「W21CA」の文字入力の実力は?効率よいメール入力を考える(3/4 ページ)

» 2005年01月12日 17時19分 公開
[太田純,ITmedia]

 APOTの予測入力をPOBoxと比較するとどうだろうか? 付属語はPOBoxよりも長めに区切られているようだ。たとえば「〜して」はPOBoxでは「〜」「し」「て」のように入力するが、APOTでは「して」という候補があるので「〜」「して」と入力できる。その代わり候補一覧も長くなるので選択のためのキータッチは増える。またPOBoxよりも付属語や句読点が予測候補の先頭にある傾向があり、とくに文末と思われる個所では「。」をよく先頭に出してくれる。

 APOTとPOBoxの一番の違いは頻度管理の有無だ。APOTでは直前に使われた候補はたいていの場合先頭に表示される。POBoxでは頻度の高い候補が優先されるので、直前に使われたからといって必ずしも先頭にくるわけではない。順序が上がるのも下がるのもPOBoxでは緩やかだ。どちらを選ぶかは設計思想の問題であり、単純にどちらが優れているといえるものではない。ユーザーとしては好みで選ぶしかない。

ダウンロード辞書を追加しよう

 いざ変換してみたら目的の単語が見つからないのではやはり困るが、そうかといって辞書は大きければいいというものではない。予測入力が主流になってくると、候補一覧に自分の使わない単語がぞろぞろ並ぶのは邪魔でしかない。したがって、メインの辞書はよくよく絞り込んでおき、必要に応じて辞書単語を追加するのが賢いことになりそうだ。とはいうものの、携帯端末での単語登録はいささかやりにくく、しかも登録できる単語数はそれほど多くない。W21CAでも登録できるのはわずか100件でしかない。

 そこで便利に使えるのがダウンロード辞書だ。ジャンルごとに単語数を絞ったさまざまな辞書を用意しておき、ユーザが自分に合った辞書を気ままに選んで使うのが最近の流行といってよい。W21CAでも「CA'z CAFE」に数多くのダウンロード辞書が用意されている。

「CA'z CAFE」の「Download」から「変換辞書の追加」を選ぶと9種類の辞書カテゴリが表示される。各カテゴリはさらにサブカテゴリに細分化されており、その中から好みの辞書をダウンロードすることが可能だ。2005年1月現在、全部で185種類の辞書が用意されている。

 それぞれの辞書に登録されているのは主に専門用語や固有名詞で、「ご当地辞書(東京)」には“不忍池(しのばずのいけ)”“東京ばな奈”、「サッカー用語辞書」には“オウンゴール”“オフサイドトラップ”などが含まれている。辞書を追加したとたんにこれらの単語が予測候補としてがずらずら並んだらうるさそうだが、そこはきちんと配慮されているようだ。追加辞書の候補は控えめに表示され、例えば「オウンゴール」「オフサイドトラップ」は「おうん」「おふさ」まで入力しないと予測候補に出てこない。当然ながら、一度変換すれば次回からは1文字で表示されるようになる。

 ダウンロード辞書はデータフォルダにファイルとして格納されるので、好きなだけダウンロードして保存しておける。ただし著作権保護されており、miniSDメモリーカードへのコピーはできない。同時に変換に利用できるダウンロード辞書は5種類までで、メニュー515「ダウンロード辞書」で使用辞書への登録や削除が可能だ。スキーや旅行に出かけるときはあらかじめ周辺のご当地辞書を用意しておくと便利だろう。

 なお、ダウンロード辞書の単語はたいてい最初から予測候補一覧に出てくるが、顔文字のようにそのままでは出てこないものもある。そのような単語はいったん漢字変換で全候補を表示すれば次から予測候補に出てくるようになる。残念ながら、辞書に含まれている単語を一覧する手段は用意されていない。どの辞書にどんな単語が含まれているのかを知るには実際に変換してみるしかないようだ。

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