最新のモバイルルポ搭載〜W21Tの文字入力を試す効率よいメール入力を考える(2/4 ページ)

» 2005年02月08日 10時51分 公開
[太田純,ITmedia]

 今回は「↓」が通常変換操作、「≫」が予測操作を表している。

例文1 大学を卒業して出版社に就職し、今では中堅編集者として活躍している。
入力1 だ≫(大学) を そ≫(卒業) し≫(して) しゅっぱんしゃに↓(出版社に) しゅうしょくし↓(就職し) 、 いま≫(今) では ちゅうけん↓(中堅) へんしゅうしゃ↓(編集者) として かつやく↓(活躍) さ≫(して) いら≫(いる) 。
例文2 中央線が事故で止まっているので少し出社が遅れます。
入力2 ちゅうおうせんが↓(中央線が) じこで↓(事故で) とまって↓(止まって) いるので す≫(少し) しゅ≫(出社) が おく≫(遅れます) ≫(。)
例文3 銀行行ってる暇がないんだけど2万ほど下ろしておいてくれない?
入力3 き≫(銀行) いつ≫(行ってる) ひま≫(暇) が ないんだけど か[英数カナ](2) まん↓(万) ほど おろして↓(下ろして) お≫(おいて) くれ≫(くれない) ≫(?)
「たわ」を入力すると「たん〜」で始まる単語も表示される(左)。予測入力画面からは通常変換や単漢字変換画面に移動することも可能だ(中央)。「単語」を確定するとフレーズ予測候補が表示される(右)。入力予測でもフレーズ予測でも、初期状態で表示される単語はかなり少ない

 入力例を見ると通常変換の割合が多いが、これは初期状態の予測辞書に登録されている単語が少ないためだ。ひらがなのまま確定した単語や通常変換した単語は学習され、次回からは予測候補やフレーズ予測候補に出るようになる。

 全く同じ文章をもう一度入力するのなら、ライバル製品と同様に先頭の数文字だけ手入力すれば、あとはフレーズ予測で次々と入力できる。

 例文1で「しゅっぱんしゃに」のように付属語込みで変換しているのは、そのほうが操作の回数が少なくて済むからだ。フレーズ予測では学習されたつながりしか候補に出ない。

 したがって通常変換が必要な(つまり予測候補が存在しない)場面では、そのあとにフレーズ予測ウィンドウが表示されることはない。それなら続けて付属語も入力したほうが、変換操作が1回で済む分だけ楽になる。いっそのこと文章をまるごと入力して通常変換してもよい。

 入力された文章は単語に分解して予測辞書に登録され、同時にそのつながりが学習される。たとえば「大学を出て出版社に就職し」を変換すると、「大学/を/出て/出版社/に/就職/し」のように分解され、次回はその単位でフレーズ予測が行われるようになる。ただし付属語は直前の自立語と組にして次の単語とつながり学習されるため、次に「メーカーに」と入力しても「就職」は出てこない。

 完全な学習ベースだと予測辞書を育てるのに時間がかかるが、モバイルルポでは助詞の扱いに若干の工夫がみられる。たとえば「出版社に」を確定したあとで「出版社」を入力すると、「に」だけでなく「へ」「にも」「から」も候補として表示されるのだ。同様に「〜が」のあとでは「は」「も」「だって」も候補になる。少々の表現の揺れはフレーズ予測で吸収できるというわけだ。

 以上のように、モバイルルポの入力の様子は、POBoxとはかなり異なる。辞書を鍛えれば予測入力できる単語は増えていくが、付属語については手入力しなければならない場面がどうしても残る。POBoxのような使い勝手を期待するとちょっと失望するかもしれない。

連文節変換の賢いモバイルルポ

 連文節変換というのは、文章を丸ごと入力したときに「もう/行かないと/間に合わない」のように文節に区切って変換してくれる仕組みをいう。上で見てきたとおりモバイルルポでは通常変換の比重が高くなるが、実はモバイルルポの連文節変換はかなり優秀なのだ。

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