立場が違えば意見も違う。
携帯への新規参入に当たり、800MHz帯が割り当てられなかったことについて不満を抱くソフトバンク。特に、総務省に寄せられたパブリックコメントの98%が総務省案反対だったにも関わらず、総務省が原案通りの決定をしたことに対しては(2月9日の記事参照)、「何のためのパブリックコメントか」と手続きに疑問を呈す。
対して、イー・アクセスの会長兼CEOの千本倖生氏は、これは“パブリック”なコメントとして意味がないと一蹴した。
「あれが本当に1億の国民のパブリックなコメントなのか分からないじゃないですか。自分で広告出して集めたんだから(2004年9月4日の記事参照)」(千本氏)
総務省は方針を決定する際に随時、広く一般から意見を求めるパブリックコメントを受け付けている。800MHz帯については、異例ともいえる3万2000通を超えるコメントが寄せられた。
もっともこれはソフトバンクが呼び集めたコメントという見方が強い。ソフトバンクはYahoo! BBやODNなど自社サービスのユーザー約400万に、総務省へのコメントを呼びかけるメールを送付し、新聞紙上などにも広告を掲載したからだ。実際、ほとんどのコメントがソフトバンクの呼びかけ以降に提出されたものだったという。
イー・アクセスは、周波数利用についての総務省検討会についても好意的だ。
「(検討会は)行政当局の進め方としては、オープンなものだった。これだけ透明だったことはかつてない。透明で公正だったと高く評価している」(会長兼CEOの千本倖生氏)
総務省は8日に、ソフトバンクに対して800MHz帯を割り当てない旨、割当方針として決定したが(2月8日の記事参照)、千本氏はそれについても評価する。
「ソフトバンクの言い分は一理ある。ただし欧米を見ても、後から参入した事業者は、上の高い周波数帯を使っている。英Orangeのように高い周波数帯を使っていてもうまくいっている例もある。私は別に総務省の代理ではないが、800MHz帯を新規事業者に割り当てるのは現実的ではない」
その上で、イー・アクセスは1.7GHz帯に高評価だ。
「(3Gサービスで)ドコモやauは2GHz帯に移行していく。それに対抗していくのに、1.7GHz帯は悪いとは思わない。非常にいい周波数帯だ」(千本氏)
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