3月4日にオープンするKDDIの「DESIGNING STUDIO」(2004年12月17日の記事参照)。同社のデザインへの姿勢を形にしたこの施設が、東京・原宿に登場する。
報道関係者向けに開かれた内覧会では、そのコンセプトが語られた。
狙いは大きく3つある。さり気なく、KDDIの技術や商品に触れてもらう「コミュニケーション」。ユーザーの生の声を取り入れるためにさり気ないマーケティングに活用するという「デザイン」。そして、アーティストの登竜門としての場所を目指す「コラボレーション」だ。
いずれもキーワードは“さり気なさ”だ。
「KDDI DESIGNING STUDIOは、一言でいえばショールーム。しかし、この一等地でコマーシャリズムを出して閑散としてしまったら逆効果。ショールーム、ショールームにしないこと。KDDIとかauと無関係に『何か原宿に面白いものがあるよ』という施設にしたかった」
そう話したのは、経営戦略本部長の藤本勇治氏だ。通信という目に見えないものを扱うKDDIにおいて、ユーザーが直接目にするものを作れないか──そんな発想から、約2年前からDESIGNING STUDIOを構想し始めたのだという。
500平方メートルの敷地に、1500平方メートルの延べ床面積を持つKDDI DESIGNING STUDIOは、「空気をデザインしていこう」(KDDIの古見修一プロデューサー)というコンセプトを持つ。
半透明の楕円型の外観を持ち、5階まで続く螺旋状のスロープが建物を取り巻く。照明には低消費電力のLEDを多用し、外部壁面にはLEDを2ミリピッチで並べた3.5×6メートルのLEDビジョンも設置した。
1階はステージを配した交流の空間。DJブースも設置され、オスカープロモーションのタレント達がBJとしてトークショーやミュージックライブを行う。
2階はauの商品、技術を中心とした展示。au携帯電話の現行モデルが展示され、「着うたフル」などを聞き比べることも。愛・地球博で使われるWindows MobileをOSに使った携帯電話「愛・MATE」も展示されている(2004年12月8日の記事参照)。
3階は未来の通信や情報の世界を体験するコーナー。内覧会でも人気が絶えなかったのが、顔画像認識技術を応用したエンターテインメントシステム「CHECK THE HARAJUKU GAO!」のコーナーだ。
4階には最大で40名程度が入る多目的会議室を設置。当面はKDDI内部での利用だが、いずれは外部にも解放していく計画だという。
眺望の良い5階には、カフェ・カンパニーが「WIRED CAFE 360°」を開店。屋上緑化に囲まれたオープンテラスも用意され、ドリンクやメキシカンタコライスなどの食事も供される。自由に使えるPCも5台設置されている。
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