フルブラウザのOpera、Bluetooth、無線LAN、タッチパネルを搭載するなど、これまでのドコモ端末とは異なる方向性を打ち出したのが、Motorola製の「FOMA M1000」(4月14日の記事参照)。
4月14日の発表以来(4月14日の記事参照)「PCや携帯雑誌だけでなく、ビジネス誌やファッション誌まで、さまざまな媒体から問い合わせが殺到している」と、NTTドコモ ユビキタスサービス部でユビキタスサービス開発担当課長を務める西尾英昭氏。法人からの問い合わせも多いといい、すべり出しは好調だ。
見た目から「PDAに通信機能を付けた」という見方をされがちなM1000だが、NTTドコモ ユビキタスサービス部の宮原さおり氏は「携帯電話が進化する中で生まれた端末」だと話す。「PDAに通信が付いた──というアプローチではなく、今の携帯電話で不満な点を掘り下げて開発したというスタンス。“生活に役立つ携帯”というテーマのもと、おサイフや音楽、ゲームといった機能を取り込んできたが、今回はPCの機能を携帯に取り込んだ」(宮原氏)
興味深いのは、これまでのiモード携帯に付いていたダイヤルキーを備えていない理由が“携帯らしさ”に由来する点だ。「ワンハンドでオペレーションできる“携帯電話”でなけらばならないというコンセプトがあった。ハードウェアキーを付けると、どうしても端末が大きく厚くなってしまう。大きな画面でフルブラウザを使うという点にこだわりつつ携帯の形状を保つためにこの形になった」(西尾氏)
「“いきなりハードウェアキーをなくす”というのは、ある意味チャレンジだった。ただ、タッチパネルには触れると振動が伝わる「Haptics」という技術を使うなど、“押した感”を望むユーザーにも配慮している。ソフトキーとはいえ、ワンハンドで携帯電話として使えるなら、それほど抵抗はないのではないか」(宮原氏)
文字入力の方法も、PDAによくある手書きやソフトウェアキーボードに加え、携帯電話のハードキーを使うのと同じ感覚で入力できるマルチタップやツータッチを装備。違和感なく操作できる機能を搭載している。
M1000のコンセプトについて宮原氏はこう話す。「現状ではビジネスでインターネットを使う場合、どうしてもノートPCやPDAといったサブの情報端末を持って行かなくてはならない。それを携帯に取り込めないか──というのが、M1000の狙い」(宮原氏)
新しい方向性を打ち出した最初の端末であり、まずは無線LANやBluetoothなど利用シーンを広げられる機能を入れたと西尾氏。「細かい機能はユーザーの意見を採り入れながら、次の端末開発に役立てたい」(西尾氏)
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