ソフトバンクは5月10日、2005年3月期の決算説明会を開催した。この席上で同社孫正義社長が、800MHz帯が割り当てられなかったことに対する感想と、1.7GHz帯を巡る事業方針などについて話した。
会見中、携帯事業について聞かれた孫氏は「800MHz帯については訴訟騒ぎということまで起こして大変努力したが、認可が下りなかった」と振り返る。
「いつまでもひきずっていても仕方がない」(同氏)。今後は1.7GHz帯を利用したサービスに照準を絞り、再び携帯事業参入を狙っていく構えだ。
「(800MHz帯が利用できないという)少々のハンディキャップがあっても問題ない。我々は、ADSLのときも(NTTがサービスで先行するという)ハンディキャップがある中で戦ってきた。携帯でも同じことだ」
孫氏は、1.7GHz帯を利用した携帯サービス実現に向け実験局免許を取得したことに触れ(4月28日の記事参照)、日本で一番最初に1.7GHzの実験を開始したとアピールする。
「商用サービスも、早い時期に開始したいと願っている」
もっとも孫氏は、その詳細を問う質問にはかたくなに口を閉ざした。
ウィルコムが音声定額サービスで好調のようだが、ソフトバンクも音声定額を実現するか――との問いにも、「具体的なことを話すのは時期尚早」(同氏)。1.7GHz帯を要求するほかのキャリアもいるため、キャリア間での争奪戦が予想される(4月27日の記事参照)が――との問いにも、「それは総務省が決めること。我々は一貫して携帯参入を考えており、遅かれ早かれ何らかの方式で必ずやる」と答える。
「(携帯事業には)できるだけ、コメントしたくない。できるだけベールに包まれているほうが、なんとなくよろしい。と考えている」(笑)
同社の携帯電話サービスでは、少なくともユーザーのより新しいライフスタイルを取り込んできたい、とだけ話した。
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