5月18日12時から、ソウル中区にあるSK Telecom(以下、SKT)本社前で、携帯電話のSMSと発信者番号表示料金の撤廃に関して、市民団体によるデモが決行された。
デモを行ったのは「ソウルYMCA 携帯電話利用者の会」。とはいえ、デモはたった1人で無言のまま行われた。韓国ではSMSが30ウォン(約3円)/1件、発信者番号表示が、それぞれ1000ウォン(約100円)/月(SKT、KTF)、2000ウォン(約200円)/月(LG Telecom)で利用できるようになっているが、デモはこの無料化を求めた。
団体側は「すでに普遍的なサービスとなっているのにも関わらず、料金が引き上げられ続けている」「特に設備投資が必要でもないのに付加サービスとして料金を課し、消費者が二重負担を強いられている」「通信市場における独占的な立場を利用し、消費者たちに一方的に料金負担をさせている」と主張している。
つまり「設備投資をしないのにもかかわらず、利用するたびに課金を課すのは不当。無料化を」というのが言い分のようだ。統計庁の発表によると、昨年の家庭1軒あたりの通信費の平均額は13万422ウォン(約1万3422円)で、これは家計の総支出の6.6%を占める。ちなみに日本は1.7%、米国2.1%、英国2.2%、ドイツ2.3%、フランス2.2%というから、韓国では通信費の割合が割と多い。
今回のデモの舞台であり、昨年完成したばかりのSK Telecom本社。折りたたみの携帯電話をイメージしたという |
今回のデモは「1人リレーデモ」といわれ、1人ずつ交代で引き続き行われる予定で、専用Webサイトでは参加者募集も呼びかけている。もちろんSKT本社前だけでなく、KTFやLG Telecom前でも行われる予定だ。
デモの多いお国柄、韓国を象徴するような出来事ではあるが、周囲は割と冷静。「効果があるなら参加してもいいかな」とは、偶然聞こえてきた見物人の言葉だ。
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