携帯カメラ向け画像処理チップを提供する新興企業Nethra Imaging。その主要メンバーはモバイル機器向けグラフィックスチップで知られるMediaQの出身だ。MediaQがNVIDIAに買収されてから1年少々。MediaQ設立者の1人、ラメッシュ・シン氏がNethraを立ち上げた。
携帯カメラの動向と、同社ソリューションの方針をシンCEO兼社長に聞いた。
──ターゲットとしている市場を教えてください。
ハイエンド携帯電話が普及している、日本と韓国のマーケットでまずはスタートする。主要な取引先としては、端末メーカー、イメージセンサーメーカー、カメラモジュールメーカーを考えている。
端末メーカーでは、韓国ではSamsungやLG、日本ではワールドワイドに製品を展開するSony Ericssonがキーとなる。センサーメーカーでは、日本国内向けはCCDが強く、CMOSは海外に出荷している。カメラの高画素化に伴い、メカニカルシャッター、オートフォーカス搭載が増えると、モジュールメーカーの市場内のポジションが上がってくる。こうしたメーカーとうまく関係が築ければと考えている。
──現在、単品のチップ販売を進めていますが、IPコアとして他社へライセンス供給は想定していますか。
我が社のIP(知的財産)はパイプラインにある。ユニークなものだ。結論からいうと、IPライセンスは考えていない。
いまは(複数のチップを重ねて1チップ化する)スタックビジネスが発達しているので、シリコンチップとして提供するのはあり得る。また、半導体のダイとして提供するほうが、クイックに出荷できる。
──コスト削減のため、チップの統合が進んでいます。Nethraのようなディスクリート(個別チップ)チップの市場は今後どうでしょうか。
今日、3メガピクセルカメラはまだディスクリートのみだ。市場予測を見ると、3メガはまだまだ伸び、逆に2メガは伸びが止まる。Nethraは3メガに向けてソリューションを提供する。3〜4年くらいは、ディスクリートの市場が十分に続くだろう。
──シン社長はMediaQ設立者でもあります。当時と比較してモバイル機器の市場はどのように変わりましたか?
MediaQのときは、PDAから携帯電話からいろいろなタイプのデバイスがあって、いずれにも主流になる可能性があった。Nethraでは、携帯電話に焦点を当てている。中でもカメラ部分だ。
MediaQからの経験で、Nethraのメンバーは世界中のイメージング関連企業にパートナーシップを持っている。それを生かしていきたい。
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