生成AI「Grok」の悪用を断罪へ Xが厳格な新指針、法執行機関などと連携

» 2026年01月06日 12時45分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 「X」の日本法人は1月6日、プラットフォーム上における違法コンテンツへの対応を大幅に強化する指針を公開した。今回の発表は、児童性的虐待素材を含む違法な投稿に対して、投稿の削除やアカウントの永久凍結といった厳しい措置を講じることを改めて明確にした形だ。Xは規約の提示にとどまらず、行政や法執行機関と密接に協力し、法的枠組みに基づいた対応を推進する姿勢を打ち出した。

X 生成AI X(旧Twitter)

 Xが掲載した案内によると、取り締まりの対象となるのは児童性的虐待素材、いわゆるCSAMをはじめとする法律に抵触するあらゆるコンテンツだ。これらが含まれる投稿が確認された場合、当該ポストの即時削除はもちろん、該当するアカウントに対しては二度と利用を認めない永久凍結の措置を取る。さらに、単なるプラットフォーム内での処分にとどまらず、必要に応じて警察などの行政機関や法執行機関へ情報を提供する。

 今回の指針で特に注目すべき点は、独自開発の生成AIである「Grok」に関する具体的な制限事項だ。Grokを利用して違法コンテンツを生成する行為、あるいはAIに対して違法な素材の作成を促すようなプロンプトを入力する行為は、直接違法コンテンツをアップロードする行為と同等と見なされる。この規定により、技術を悪用して法に触れる画像を生成しようとする試みは厳しく制限されることとなった。

 生成AIの進化に伴い、ディープフェイクなどの偽造コンテンツが社会問題化する中で、プラットフォーム提供者としての責任範囲をAIの利用段階にまで広げた形だ。Grokを通じた不正行為が発覚した場合も、通常のアカウントと同様に永久凍結を含む厳しい制約が課される。

X 生成AI 独自開発の生成AIである「Grok」に関する具体的な制限事項

JKT48が「AI技術の不正利用に関する公開警告」を発する事態に

 生成AIについては芸能界からも強い危機感が表明されている。インドネシアのジャカルタを拠点とする「JKT48」は1月5日、AI技術の不正利用に関する公開警告と題した声明を発表した。JKT48は、メンバーの顔や身元を無断で使用して作成されたAI生成のポルノコンテンツを明確な攻撃対象として定義している。具体的には、そうした不適切なコンテンツの作成、配布、拡散、宣伝に関与した者に対し、一切の容赦なく法的措置を講じる方針を固めた。また、これらの素材を支持したり、助長したりするようなコメントの投稿、さらにはコンテンツを搾取する行為も処罰の対象に含まれるという。アイドルグループの肖像権や人権を侵害するAI悪用に対し、組織として刑事および民事の両面から対抗する姿勢を示した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月27日 更新
  1. 「海外からの迷惑電話が解消した」との声も NTTタウンページの「詐欺対策」アプリ、累計100万ダウンロード突破 (2026年06月25日)
  2. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  3. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  4. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  5. スマホの短期解約、最長1年の「継続利用」容認で抑制へ 「お試し割」は統合 総務省が取りまとめ (2026年06月25日)
  6. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  7. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  8. iPhoneそっくりなだけじゃない、コラボモデルもある「HONOR 600 Pro」 (2026年06月26日)
  9. 「実質24円」は今後も続く? スマホ残価設定は「現状維持」、残価率の一律化は「適当ではない」と総務省が評価 (2026年06月25日)
  10. ソニー「aibo」の国内販売終了 なぜ、人に愛される存在になったのか (2026年06月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー