SNS上で「Suicaがないと死ぬ」という言葉が共感を呼んでいる。一見すると大げさな表現に思えるが、そう口にしたくなるほど、Suicaは現代の都市生活における不可欠なインフラとなっている。
日頃から当たり前のようにSuicaを使い、電車やバスを乗り継ぐ都市部の住民からすれば、何を今さらと感じるかもしれない。しかし、公共交通機関が限られ、移動の主役が自家用車である地域から上京した人々がその利便性を目の当たりにすると、文字通り「生命線」と呼ぶにふさわしい衝撃を受けるのだろう。
今や誰もが知るカード型Suicaは、都市生活に欠かせないインフラだ。その利便性の恩恵を受ける人は多く、交通から決済まで一枚で完結する。生活を支える「生命線」としての存在感は、今後も揺らぐことはないだろう。画像はカード型のSuica(出典:Suicaでやってはいけないこと4選の記事)Suicaの利便性は、駅の改札をスムーズに通過できるという点にとどまらない。最大の特徴は、交通手段としての枠を超え、日常のあらゆる場面で決済手段として機能していることにある。駅構内の売店や自動販売機はもちろん、コンビニエンスストア、ドラッグストア、飲食店、さらには街中の駐車場に至るまで、利用可能な範囲は極めて広い。SNS上に「Suicaさえあれば生活が成り立つ」という意見や、「何でも支払える現状に驚きを隠せない」という声が投稿されるのも納得だ。駐車場代の支払いに小銭を用意する必要がなくなり、Suica一枚で決済が完了する手軽さは、一度体験すると現金や切符に戻れない快適さの表れといえる。
興味深いことに、東京の友人から「切符を使っていると外国人観光客だと思われるのではないか」と指摘されたというエピソードもある。これは都市部においてICカードの利用が完全にデフォルト化していることを示しており、Suicaはあると便利という段階を超え、ないと不便で困るもの、あるいは持っていないことが不自然に感じられるほどの存在になっている。
しかし、この便利さは日本全国どこでも均一に提供されているわけではない。北海道で利用した際、到着した目的地の駅がICカード非対応で精算に窮した例や、所持金を全てSuicaに入れて長野へ向かったものの、現地の改札で降りられず途方に暮れたという体験談が報告されている。地方の路線において、入場時には利用できたのに降車時に使えないという状況は、都会の感覚に慣れた利用者にとって大きな困惑の種となる。
Suicaが爆発的に普及し、人々の生活に深く根付いた背景には、カード型という物理的な制約を脱し、スマートフォンという常に持ち歩くデバイスへ融合したことが挙げられる。「モバイルSuica」の登場は、利用者のライフスタイルを劇的に変えた。手元の操作だけでいつでもチャージが可能になり、窓口や券売機に並ぶことなく定期券や「Suicaグリーン券」を購入できるサービスは、2006年1月の開始以来、着実に利用者数を伸ばしてきた。2009年に100万人を突破した利用者数は、2018年3月には500万人に達し、そこからわずか約3年でさらなる飛躍を遂げた。
この普及を強力に後押ししたのは、主要なスマートフォンへの対応といえる。2011年7月のAndroid対応を皮切りに、2016年10月には「Apple Pay」への対応を果たし、2018年5月には「Google Pay」でも利用可能となった。とりわけ、2016年に「iPhone 7」および「iPhone 7 Plus」でApple PayのSuicaが利用できるようになったことは、Suicaの歴史において決定的な転換点となった。それまでおサイフケータイ機能を持つ端末に限定されていた利便性が、日本で圧倒的なシェアを誇るiPhoneユーザーに開放されたことで、Suicaの利用シーンは一気に日常の風景へと溶け込んでいった。
モバイルSuicaは2016年にApple Pay、18年にGoogle Payへ対応。特にiPhone 7での導入はSuicaの歴史における決定的な転換点となり、スマホでの利用を爆発的に普及させる契機となった
モバイルSuica(画像はSuicaの取り込み・管理が可能なApple Pay対応のiPhone)で改札を通過する様子(出典:過去記事「スマホのバッテリー切れでもSuicaで改札通過できる? iPhoneで検証してみた」)
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