既に約9200万枚が発行されているSuica。日本人で特に関東圏内に在住する人なら目にする機会が多いはず。Suicaはカード型と携帯電話向けのモバイルSuicaの大きく2種類に分かれるが、この記事ではカード型のSuicaを使用する際に知っておきたい基本情報と、やってはいけないことを紹介する。
Suicaで電車やバスに乗るには、残高が十分にあることが基本前提だ。
駅の改札機を通過して電車に乗るときなどに、残高がその駅から電車に乗るための最低料金(初乗り運賃)に足りなければ改札機を通過できない。目的地までの運賃に対して残高が足りない場合も、改札機で足止めされてしまい出られないので注意しよう。
残高が足りなくなったら、改札機近くのチャージ機や駅の窓口、コンビニなどでチャージできる。改札機で足止めされないためにも、チャージは事前に行うのがよく、そうでなければオートチャージを利用するのも1つの手段だ。
Suicaを使って改札機を通る際は、Suicaを改札機の読み取り部にしっかり、水平にタッチする必要がある。Suicaと改札機が通信できる距離は10cm程度だ。その距離の範囲内でSuicaを改札機にかざさなければ、読み取りができず、改札機を通過できない可能性がある。
読み取り部にSuicaを滑らせるのではなく、ピタッと当てて、「ピッ」という音が鳴るのを確認するのがいい。改札機を通過できない場合は「ピー」という音が鳴る。視覚的に分かりづらい場合は音を聞き分けるといい。
Suicaは紛失した際に再発行が可能だ。Suica・PASMOエリア内の主な駅やバス営業所、JR東日本の新幹線停車駅のみどりの窓口で申告すると、登録された「氏名」「生年月日」「性別」をもとに、電話番号や区間などの情報と合わせてカードが特定され、停止手配が実行される。ただし、無記名Suicaの再発行はできない。万が一のことを考えると、記名式Suicaをおすすめしたい。
またSuica裏面のJEから始まるカード番号や連絡先の電話番号をメモなどに控えておくと、再発行の手続きがスムーズだ。
手続きを完了した翌日以降、紛失したカードの発行会社の窓口で受け取れる。その際に再発行手数料の520円と、新しいカードの預り金(デポジット)の500円が請求される。カードの受け取りは再発行の申し出から14日以内に行う必要がある。
Suicaは永久に利用できるワケではない。10年間利用がないSuicaは失効するが、失効までに一度でも鉄道・バスの乗車や買い物で利用すれば、そこからさらに10年間失効しない。長期間使っていないSuicaが手元にないかどうか確認してみよう。
Suicaは先述の通り電波を使って情報をやりとりしている。そのため、電波を妨げるもの(金属などの電気を通すもの)がSuicaの近くにあると反応しない場合がある。
一緒にタッチしない物としては、タバコの銀紙、スクラッチカードのアルミ箔(はく)、小銭、貴金属、鍵などの金属類に加え、シルバーの文字が書き換えられるカード(銀色の部分に白い文字が書かれているリライトカード)だ。
これらのものはSuicaとは別のポケットや財布に入れるなどして離して持ち歩くといい。
仕事とプライベートで複数の非接触ICカード(Suica、PASMO、Suica機能付きクレジットカードなど)を使い分ける人もいるだろうが、複数の非接触ICカードを同じパスケースに入れたまま改札機にタッチすると、エラーになって通過できない。パスケースなどに複数枚の非接触式ICカードを入れないようにしよう。
Suicaにシールやステッカーを貼ると、券売機やチャージ機で詰まって使えなくなったり、カードが壊れる原因になることがある。また、改札機で読み取りにくくなることもあるため、シールやステッカーなどをSuicaに貼らないようにしよう。
Suicaの偽造や譲渡は規約で厳しく禁止されている行為に該当する。偽造された定期券を使ったり、他人の定期券を使った(記名人以外が使用)り、券面の情報を書き換えたり……などの行為は不正行為と見なされ、ペナルティーが課せられる。例えば、記名式Suicaを本人以外が使用した場合は、本来払うべきだった運賃とその2倍の増運賃を請求され、当該のSuicaは没収される。
例えば、家族間で譲渡する場合は記名式Suicaではなく、無記名のSuicaを利用するといい。
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