JAL最高峰の「メタルカード」は、その名の通り高級カードだが、サイト制作には手を抜いたのではないか――。そんな疑問を投げかける投稿がX(旧Twitter)で相次いだ。
ここでいうメタルカードとは、JALカードとしては最高位となる「JAL Luxury Card」「JAL Luxury Card Limited」を指す。日本航空(JAL)がBlack Card I(ラグジュアリーカード)および信販会社のアプラスと連携し、8月1から申し込みを受け付けている。
どちらのカードも、JALの機体を想起させる重厚感のあるメタル素材を採用しており、年会費からも、富裕層向けのクレジットカードとして位置付けられていることが分かる。JAL Luxury Cardの年会費は24万2000円。JAL Luxury Card Limitedは完全招待制で、発行枚数も非公表とされているが、年会費は59万9500円と前者よりもさらに高額だ。
高額な年会費を掲げて登場したJALの高級カードだが、その公式サイトに使用されている画像について、X上で疑問の声が相次いでいる。
発端は、X(旧Twitter)に投稿された複数のユーザーによる観察だ。公式サイトに掲載されていたイメージ画像の中に、「ポップコーンにストローがささっている」「フォークの形が実物とは異なる」など、誰がどう見ても違和感のある描写が散見され、「これは生成AIで作られた画像ではないか」との指摘が相次いだ。
中には、「手の指の本数と位置がおかしい」「足が一本多いように見える」など、「AIでよくあるミス」が含まれていたとの声もある。
JALはXで話題になった指摘を受けてか、サイト上の一部の画像を切り取って対応を行っている模様。実際に、ポップコーンを含む手元が写った画像はすでに切り取られた。しかし、そのすぐ下にある「男性がカバン販売店で店員にクレジットカードを手渡す」ようなイメージ画像に写るクレジットカードは、JAL Luxury Card/JAL Luxury Card Limitedとは明らかに異なる。
言うまでもないことだが、クレジットカードは“信用”に基づいて発行されるカードだ。つまり、クレジットカード会社の審査を通過することで、ようやく所有および正式に利用できるようになる。今回のようにAI生成と思われる画像に多数の不自然な点が残っていたことに対し、Xでは「ケチっている」「本物を使うべきだ」との批判的な意見が目立つ。
なお、現時点でJALからこの件についての公式な説明は出ていない。富裕層をターゲットとする最高級カードであるからこそ、クレジットカードブランドのイメージと公式サイト画像の整合性が改めて問われる局面となりそうだ。
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