作品名 | 最後の恋のはじめ方(Hitch) |
監督 | アンディ・テナント |
制作年・製作国 | 2005年アメリカ作品 |
前回ご紹介した『電車男』に引き続き、『最後の恋のはじめ方』でも不器用な男の純愛が描かれています。ただし、主人公は女性の扱いに慣れていない男たちに、口説き方をアドバイスするコンサルタント。意中の彼女が喜ぶデートコースを徹底的にリサーチするデートドクターなのです。
大学時代の苦い失恋経験から、恋愛には作戦が必要と学んだアレックス・ヒッチ。好きになった女の子を落とすテクニックを磨いて、今では他人の恋のコンサルタント業を営んでいます。身近な女性から高嶺の花まで、絶対にモノにするヒッチの戦略は口コミで広がり、ニューヨークでは謎の“デートドクター”として噂になっていました。
ヒッチはどんな依頼でも受けるわけではなく、クライアントが本気で相手の女性を愛している場合だけに限っています。特に恋愛が苦手で、不器用な男たちを応援しているのです。
新たなクライアントとしてやって来たアルバートは、アレグラ・コールに恋をしていると打ち明けました。アレグラと言えば、大金持ちで美人、セレブリティとして有名で、毎日のように色恋沙汰のゴシップでマスコミを騒がせている女性。ヒッチは相手が相手だけに躊躇しましたが、小太りのアルバートの眼鏡の奥の真剣な瞳に打たれ、コンサルタントを引き受けます。
アルバートはアレグラの会計士として、毎週顔を合わせていましたが名前も覚えてもらっていないなような存在。そこで、ヒッチはアレグラの気を引くような発言をするよう、アドバイスします。ただ、極度のあがり症であるアルバートは、いざアレグラに顔を合わせると、たちまち落ち着きをなくし挙動不審に。それでも何とか発言し、アレグラに好印象を残します。
ヒッチは食事の誘い方、デートコース、服装、会話、マナー(彼女と会っている時に絶対やっては行けないこと)まで、徹底的にアルバートに教え込みます。
こうしてアルバートの恋が芽を出し始めた頃、ヒッチにも素敵な女性との出会いがありました。バーで男にしつこく口説かれていたサラを、ヒッチが助けてあげたのです。サラの美貌と頭のよさにすっかり参ってしまったヒッチは、久しぶりに自分の恋の戦略を考えることに。サラが新聞記者をしていると聞いたヒッチは、オフィスに宅急便を届けます。
思いがけないプレゼントに驚くサラ。中にはカラフルな無線機が入っていたのです。さっそくヒッチから連絡が入ります。
「電話番号を教えてくれなかったから」
“無線機を送る”のは、携帯電話の番号交換の上をいくヒッチならではの高度なテクニック。少々強引ですが、サラのようなモテる女性には意外性のあるアプローチが必要。
「金曜の夜、食事でもどう?」
呆気に取られているサラから、気軽にデートの約束を取り付けます。いつものように戦略が見事にはまり、携帯番号を聞き出すことにも成功。
「すごいな。君の声を聞くだけで顔がほころぶよ」
しかし、ヒッチ流の恋のルールで築いたサラとの関係に、思わぬ障害が。アレグラとアルバートの仲が報道され、さらにデートドクターがそこに絡んでいると新聞に書かれてしまったのです。
デートドクターであることを明かせないヒッチと、特ダネを書きたいサラの間に溝が出来てしまいます。多くの男性にアドバイスを与えてきたヒッチですが、自分の恋ではルール通りに行かないことを知ります。それでもサラを失いたくないヒッチ。この恋を最後の恋にできるのでしょうか。
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