中に“教授”が入ってます──「N901iS」の“感情お知らせメール”

» 2005年06月20日 15時03分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 フルブラウザの搭載に注目が集まる(5月26日の記事参照)ドコモのNEC端末「N901iS」(機種別記事一覧参照)だが、ほかにもユニークな機能がある。「感情お知らせメール」がそれだ。

 届いたメールの内容を解析し、どんな内容なのかを22種類のアイコンで表示する。メールが着信すると、待ち受け画面や受信BOXに「急ぎ」「好き」「嫌い」「怒り」など、22種類のアイコンが表示され、メールを開く前にどんなメールかを把握できる。

 感情お知らせメール。待ち受け画面やメールの一覧画面、メール表示画面に、内容に合ったアイコンが表示される

 メール内の絵文字を読み取って光で感情を知らせる、パナソニック モバイル端末の「キラリメール」(2004年5月の記事参照)や、NECのN505iS/506i/506iS「フェイス機能」に似た機能だが(2003年12月の記事参照)、キャリアを選ばずアイコンを表示させられるところが「ちょっと違う」とNECのモバイルターミナル事業本部で商品企画を担当する岡本克彦主任。

 「キラリメールはメール内にあるドコモの絵文字で内容を判別するので、ドコモ端末同士でのコミュニケーションになる。感情お知らせメールはメールの文章を解析するので、他キャリア端末からのメールやPCからのメールでも機能する」

 メール内容の解析はメールの受信と共に開始され、受信し終わると同時にアイコンが出る。「着信がかかって表示するまでの間にアイコンを表示できるよう、フローをカスタマイズしている。つまり、受信しながら解析を行う仕組み」

さまざまな感情が交ざっている場合は、一番強い感情を

 この機能について開発陣に聞いてみたいのは“曖昧な表現の場合にどんなアイコンが出てくるのか”。例えば「好きなのか嫌いになったのか、自分でもよく分からないようなメール」が送られた場合、どんなアイコンが選ばれるのだろう。

 感情お知らせメール用に用意された22種のアイコン。1通のメールにつき、1つのアイコンが表示される

 「『嫌い、でも好き』という文面の場合、“でも”が入ることで意味が反転して“好き”を意味する文脈になる。そこを判断してこの場合は“好き”のアイコンを出す」

 また文章の中に、“好き”や“お誘い”“お願い”など、複数のアイコン用キーワードが重複するようなメールについては「アイコンは1つしか出せないので、その文脈の中で一番強いものをアイコンとして出す」という。

 この端末に内蔵された言語解析技術は、「徳島大学工学部 青江研究室の研究成果を事業化するベンチャー企業ILUと共に研究開発したものだ。「端末の中に、教授が入っているんです(笑)」

コミュニケーションの1つのきっかけに

 もっとも、この機能はユーザーにメールコミュニケーションをもっと楽しんでもらうために搭載したもの。重箱の隅をつつくように機能をチェックするのは無粋というものだ。

 NECモバイルターミナル事業本部の商品企画部エキスパート、溝口民行氏は「アイコンで相手の感情をかいま見る──という使い方。機能の性格上、アイコンの緻密な正確さが議論されるタイプのものではないと思う」と話す。

 とはいえ、やはり複雑な文章をメールしてアイコンチェックしたくなる気持ちを抑えられない記者に、「あまり、意地悪しないでくださいね」と、親心を見せる岡本氏だった。

やっぱり、いじめてみました

 自分でも何を伝えたいのか分からないような文面を、“携帯の中の教授”は、どう判断するのか。こんな文書を送って試してみた。

「昨日のあの態度はちょっとむかついたかも。あんな別れ方だと、今後どうなってしまうのか気になってしまいます。いっそ嫌いになれたらいいのですが、心のどこかではまだ気持ちが冷め切っていないというか。もしかしたらまだ好きなのかもしれません。自分でもよく分からないけど」

 どちらかといえば“好き”寄りな文章にも思えるが、“携帯の中の教授”はこれを“嫌い”と判断した。

 ちょっとコワい内容のメール。割り切れない思いが感じられる内容だが、教授は“嫌い”とジャッジ

 NECのモバイルターミナル事業本部商品企画部で主任を務める島村孝博氏は、こうした“教授”の判断もコミュニケーションのきっかけになると話す。「『こんな文章を送ったら、こんなアイコンが出た』という情報交換も楽しめる」

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