フルブラウザの搭載に注目が集まる(5月26日の記事参照)ドコモのNEC端末「N901iS」(機種別記事一覧参照)だが、ほかにもユニークな機能がある。「感情お知らせメール」がそれだ。
届いたメールの内容を解析し、どんな内容なのかを22種類のアイコンで表示する。メールが着信すると、待ち受け画面や受信BOXに「急ぎ」「好き」「嫌い」「怒り」など、22種類のアイコンが表示され、メールを開く前にどんなメールかを把握できる。
メール内の絵文字を読み取って光で感情を知らせる、パナソニック モバイル端末の「キラリメール」(2004年5月の記事参照)や、NECのN505iS/506i/506iS「フェイス機能」に似た機能だが(2003年12月の記事参照)、キャリアを選ばずアイコンを表示させられるところが「ちょっと違う」とNECのモバイルターミナル事業本部で商品企画を担当する岡本克彦主任。
「キラリメールはメール内にあるドコモの絵文字で内容を判別するので、ドコモ端末同士でのコミュニケーションになる。感情お知らせメールはメールの文章を解析するので、他キャリア端末からのメールやPCからのメールでも機能する」
メール内容の解析はメールの受信と共に開始され、受信し終わると同時にアイコンが出る。「着信がかかって表示するまでの間にアイコンを表示できるよう、フローをカスタマイズしている。つまり、受信しながら解析を行う仕組み」
この機能について開発陣に聞いてみたいのは“曖昧な表現の場合にどんなアイコンが出てくるのか”。例えば「好きなのか嫌いになったのか、自分でもよく分からないようなメール」が送られた場合、どんなアイコンが選ばれるのだろう。
「『嫌い、でも好き』という文面の場合、“でも”が入ることで意味が反転して“好き”を意味する文脈になる。そこを判断してこの場合は“好き”のアイコンを出す」
また文章の中に、“好き”や“お誘い”“お願い”など、複数のアイコン用キーワードが重複するようなメールについては「アイコンは1つしか出せないので、その文脈の中で一番強いものをアイコンとして出す」という。
この端末に内蔵された言語解析技術は、「徳島大学工学部 青江研究室の研究成果を事業化するベンチャー企業ILUと共に研究開発したものだ。「端末の中に、教授が入っているんです(笑)」
もっとも、この機能はユーザーにメールコミュニケーションをもっと楽しんでもらうために搭載したもの。重箱の隅をつつくように機能をチェックするのは無粋というものだ。
NECモバイルターミナル事業本部の商品企画部エキスパート、溝口民行氏は「アイコンで相手の感情をかいま見る──という使い方。機能の性格上、アイコンの緻密な正確さが議論されるタイプのものではないと思う」と話す。
とはいえ、やはり複雑な文章をメールしてアイコンチェックしたくなる気持ちを抑えられない記者に、「あまり、意地悪しないでくださいね」と、親心を見せる岡本氏だった。
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