カメラ機能に凝ったユニークな「D901iS」ケータイカメラ画質研究ラボ(1/5 ページ)

» 2005年06月24日 02時59分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 とうとうケータイにも400万画素である。「SH901iS」が300万画素と思ったら、「D901iS」は400万画素だ。でも実は400万画素のCCDを搭載したわけじゃない。400万画素のD901iSと、200万画素の「D901i」は同じCCDを使っているのだ。

 そもそもD901iが採用していたCCDは富士写真フイルムが開発した「スーパーCCDハニカム」の200万画素。スーパーCCDハニカムは、撮像素子上の画素の並び方に特徴がある。普通のCCDでは画素が縦横の格子状に並んでいるのに対し、スーパーCCDハニカムでは1つ1つの画素を従来の方式より大きめにし、それを45度斜めに並べている。斜めに並べても画像にするときには結局ピクセルが縦横に並んだデータが必要なため、画像作成時に上下左右の画素を補完して、いったん「倍サイズ」の画像を作り出す必要があるのだ。

 つまり、D901iもいったん内部で400万画素分の画像を作ってから200万画素サイズに小さくして保存していたのである。D901iSではわざわざ縮小しない、400万画素サイズのまま保存するモードを設けた──たぶんそういうことだ。

 400万画素のモードが必要かどうかは使う人によって異なるのだろうが、D901iがなかなか高画質だったため、思い切って400万画素モードを付けたのかもしれない。

 今回はその400万画素モードで画質をチェックしてみた。

D901iから大きく改善された使い勝手

 D901iSの基本構造はD901iと同じスライド式ボディだが、重要なところが微妙に違う。それがカメラ機能の使い勝手にもかなり影響を与えている。主な変更点は3つある。

画面は再生モード。ディスプレイの一番上の行が情報表示行で、普段はこのようにカレンダーなどが表示されている。閉じたときでもクリアキーが使えるようになったが一番の変更点

 まずはディスプレイ。2.4型のQVGA対応ディスプレイなのだが、実はよく見るとちょっと縦長だ。240×345ピクセルと25ピクセル分普通のディスプレイより長い。その飛び出た25ピクセル分を情報表示行として使うため、撮影時に各種情報で構図がさえぎられることも減るし、全画面表示してもこの25ピクセル分は残るので最低限の情報は表示される。これはよい。

 次はキー配置。ディスプレイ部はスライド式でディスプレイ下にイージーセレクターや各種ソフトキーなどが付いていたが、D901iSではさらにクリアキーもやってきた。これでディスプレイをスライドして数字キーを出さなくても基本操作はすべて閉じた状態で行える。

 3つめはレンズカバー。ケータイのカメラもこのクラスになるとレンズの汚れによる写りの低下が気になるので、レンズカバーが付いたのはありがたい。

 本体が「待ち受け状態」になっていれば、レンズカバーを開くだけで撮影モードになる。レンズカバー開閉以外では、側面のシャッターボタン長押しかメニューから起動する。でもレンズカバー開閉が一番簡単で速い。レンズカバーを開けると約2.5秒で撮影可能になる。

裏面のレンズカバーを指でスライドさせると、レンズとライトが現れ、自動的に撮影モードになる。もうちょっと開け閉めしやすいとうれしかったかも

 で、肝心のカメラ機能はかなり気合いが入った出来だ。

 まずレンズの焦点距離は35ミリ換算で約33ミリとかなり広角気味。普通のデジカメが広角側で35〜38ミリ相当なのでそれよりひとまわり広い範囲が写ると思っていい。明るさはF3.6固定で、ISO感度は70から300くらいまで上がる。

 撮像素子は前述したとおり200万画素のスーパーCCDハニカムで、オートフォーカス(AF)付である。

 側面のシャッターボタンがは半押しでAFロックが可能だ。中央部にAF枠が表示されるのだが、ときどきピントが合ってなくても平気で緑色になることがある。特に近距離のものを撮るときは注意。背景にピントが合いやすいからだ。AFの時間は約1.5秒となかなか迅速だ。

 正面の決定キーで撮影するときはAFは効かず、パンフォーカスとなる。ある程度遠い被写体ならパンフォーカスでもさほど問題はないだろう。AF利用時の最短撮影距離は30センチ。マクロモード時は7センチで、マクロ時に決定キーで撮ると(つまりAFを使わないと)7〜11センチの範囲にピントが合う。

側面(デジカメスタイルで持つときは上面)にシャッターボタンがある。でもこのシャッターボタンはストロークが浅くて大きいわりにちょっと押しづらい。ただし液晶パネルの視野率は高く、この角度でも見えるのはすごい
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